OpenAIは海外進出を強めており、アジア展開の足がかりとして、日本に新たな子会社「OpenAI Japan」合同会社を設立し、東京にオフィスを開設したことを発表した。このOpenAI Japanの代表には、元アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)の社長を務めた長崎忠雄氏が就任する。
「日本にオフィスを開設できたことを嬉しく思います。日本は長い歴史を通じ、人々と技術が協力し、大変多くのことを成し遂げています。AIが、人々をより創造的で生産的になるのを助け、まだ想像されていない新しい産業にも広範囲に価値を提供することを加速できると信じています」と、OpenAIのCEOであるSam Altman氏は述べている。
OpenAIは日本での研究開発も視野に入れており、日本独自のニーズに応える安全なAIツールの開発を目指し、政府、地元企業、研究機関と協力していくことを表明している。
また、OpenAIは日本に対する長期的なコミットメントの第一歩として、日本企業向けに、日本語に特化して最適化された同社の大規模言語モデル「GPT-4」のカスタムモデルの提供を開始したことを発表した。同社はこの新たな日本語モデルが、これまでの標準モデルであるGPT-4 Turboと比較して、日本語のテキストの翻訳と要約のパフォーマンス、およびコスト効率が向上しており、最大3倍高速に動作すると述べている。
ChatGPTは以前から日本語を含む複数の言語に対応してきた。しかし、基盤となるGPT LLMの最新バージョンを日本語専用に最適化することで、文化的な理解も含め、日本語のニュアンスをより深く理解できるようになり、特にカスタマーサービスやコンテンツ作成などのビジネスシーンで、より効果的に活用できるようになるはずだという。
実際の事例として、GPT-4日本語カスタムモデルを採用した英語学習アプリ「Speak」では、ユーザーが間違えた際のチューター(指導者)の説明が2.8倍速くなっているという。また、トークン数が減り、効率化されたことでそのコストが47%削減されている点も大きいだろう。この日本語カスタムGPT-4モデルは、数か月以内にAPIで広くリリースされる予定だという。
今のところ、OpenAIは一部の地元企業にGPT-4カスタムモデルへの早期アクセスを提供しており、”今後数ヶ月のうちに”OpenAI APIを通じて徐々にアクセスが開放される予定だ。
OpenAIでは日本法人での求人を近く行う事も予告している。詳細は採用ページにて今後公開されるとのことだ。
Source
- OpenAI: Introducing OpenAI Japan
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