OpenAIが自律的にコンピュータを操作可能なAIエージェント「Operator」の開発を進めており、2024年1月にも開発者向けのリサーチプレビューとして公開する計画であることがBloombergの報道で明らかになった。同社の幹部会議での発表内容として、複数の関係者が匿名を条件に証言している。
「Operator」の概要と技術的特徴
新たに開発中の「Operator」は、Webブラウザを介してタスクを実行する汎用的なAIエージェントツールとして設計されている。コーディングや旅行予約など、人間に代わって複数のステップを要するタスクを最小限の監督で実行することが可能になるとされる。
開発中の複数のエージェント関連プロジェクトの中で、「Operator」は最も完成に近いものとして位置づけられている。初期段階では研究プレビューとして公開され、開発者向けAPIを通じて提供される予定だ。
競合状況と市場の展望
AIエージェント市場では既に主要プレイヤーが相次いで参入を表明している:
- Anthropic:コンピュータ操作機能「Computer Use」を既に導入
- Microsoft:電子メール送信や記録管理向けのエージェントツールをリリース
- Google:12月に消費者向けAIエージェントの投入を計画中
OpenAIのSam Altman CEOは先月のReddit AMAで「次の大きなブレークスルーはエージェントになるだろう」と述べ、Kevin Weil最高製品責任者も「2025年はエージェントシステムが主流となる年になる」と予測している。
Xenospectrum’s Take
OpenAIの「Operator」の開発は、同社に取って大きな戦略的意義を持つ。巨額の投資を続けるAIモデル開発の収益化が課題となる中、ChatGPTに続く革新的製品として自律型エージェントに活路を見出そうとする動きだろう。
しかし、実用面での差別化が鍵となることは間違いない。AnthropicやGoogleも類似機能の開発を進めており、単なる「できること」の競争では不十分だ。真に価値のある自動化を実現できるか、そして何より安全性の担保が大きな課題となるはずだ。
だが、各社が競うようにエージェント開発を急ぐ背景には、現行モデルの改良だけでは新たな収益源を生み出せないという焦りが透けて見える。巨額の投資が必要なAIだが、まだこれで稼ぐ事がまだできていないこともまた確かなのだろう。
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