Sonyの次世代ゲーム機「PS5 Pro」について、Gaijin Entertainmentのグラフィックスプログラマー、Gergo Horvath氏が詳細な技術評価を行った結果をWccftechのインタビューで語っている。同氏によれば、PS4からPS4 Proへの進化と比較すると性能向上幅は控えめながら、新たに搭載された機械学習アーキテクチャによるPSSR(PlayStation Super Resolution)が注目すべき特徴とのことだ。
革新的なアップスケーリング技術が示す可能性
PS5 Proに搭載された新技術PSSRは、業界最先端のアップスケーリング技術との比較でも卓越した性能を示している。Horvath氏によると、NVIDIAのDLSSやIntelのXeSSと同等の画質を実現し、特にAMD FSRと比較した場合、画面のブラーやゴースティング、フリッカーの抑制において優位性を持つという。
「真のゲームチェンジャーは、PSSRを可能にした機械学習アーキテクチャの追加です」とHorvath氏は強調する。この技術革新により、低解像度でのレンダリングでも高い視覚的品質を維持しながら、システムリソースを大幅に節約することが可能となった。特にレイトレーシングとの組み合わせにおいて、その真価を発揮するという。
実ゲームで確認された性能向上の実態
Gaijin EntertainmentのWWII FPS「Enlisted」では、動的解像度とPSSRの組み合わせにより4K/120FPSの実現を果たした。同様に「War Thunder」でも発売日から4K/120FPSのサポートを実現している。グラフィック品質においては、PC版最高設定の約75%相当のビジュアルを達成。これは従来のPS5では実現できなかった領域だ。
ただし、PS4からPS4 Proへの進化と比較すると、全体的な性能向上幅は控えめとなっている。特にCPU性能は従来モデルと大きな違いはない。その代わりに、レイトレーシング性能の向上に開発リソースが集中投下されており、次世代ゲームの表現力向上に主眼が置かれている。
Xenospectrum’s Take
PS5 Proの真価は、純粋な性能向上だけでなく、PSSRという革新的なアップスケーリング技術の実装にある。初代バージョンにもかかわらず、既に成熟したDLSSやXeSSと互角の性能を発揮している点は特筆に値する。
さらに注目すべきは、この技術が今後のアップデートによって更なる進化を遂げる可能性を秘めている点だ。価格設定の妥当性については、純粋なハードウェアスペックの向上だけでなく、PSSRによってもたらされる新しいゲーム体験の質を総合的に評価する必要があるだろう。
現時点で明らかなのは、PS5 Proが単なる性能向上に留まらない、質的な進化を遂げているという事実だ。特に機械学習を活用したPSSRの実装は、次世代ゲーム機における画質向上のアプローチに新たな指標を示している。
Source
- Enlisted. Official Channel: Enlisted — PS5 Pro Enhanced
- Wccftech: PS5 Pro Is a Smaller Leap Than PS4 Pro, Says Dev; PSSR Is Better Than AMD FSR, on Par with DLSS/XeSS
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