QualcommのSnapdragon X Eliteはまだ発売されておらず、今年後半の発売までその真の姿は正確には分からないが、Qualcommは度々その性能をアピールする機会を設け、自社の製品への期待感を高めている。今回Qualcommは、昨年行われたIntelやAMDのチップとの比較について、その後IntelがMeteor Lakeアーキテクチャを発表し時代遅れになった事から、改めてパフォーマンス比較を行っている。だがそれにもかかわらず、Qualcommは自社製品の優位性は揺るがないと主張しているようだ。
QualcommがPC Worldに対して行ったブリーフィングでは、Intel初のマルチ・チップレット(同社によればタイルアーキテクチャ)となる「Meteor Lake」アーキテクチャに基づく「Core Ultra 9 185H」と、「Core Ultra 7 155H」との比較が行われている。
比較に使われたCore Ultra 7 155Hは6+8+2設計で、6つの性能コア、8つの効率コア、2つの低消費電力コアを備えている。Core Ultra 9 185Hは、コア数は同じだが、ブーストクロックが300MHz高い。これに対し、Snapdragon X Eliteは、Armアーキテクチャを採用した12個のOryon CPUコアを搭載している。Intelのように高性能コアと高効率コアを分けるハイブリッドアプローチではなく、全てが同じコアだ。
Qualcommによれば、Snapdragon X Eliteはシングルスレッドワークロードでは、同じ電力ではCore Ultra 7 155Hよりも54%高速であり、同じパフォーマンスの場合は電力効率が65%高いと主張している。マルチスレッドワークロードでは、同じ電力で52%高速、同じパフォーマンスの場合は電力効率が60%高いとしている。
また、Core Ultra 9 185Hとの比較においては、シングルスレッドのワークロードでは、同じ電力で51%高速であり、同じパフォーマンスの場合は電力効率が65%高いと述べている。また、マルチスレッドワークロードでは、同じ電力で41%高速、同じパフォーマンスの場合は電力効率が58%高いと主張しているようだ。
Qualcommの公式な発表ではないが、@techinmul氏がGeekBench 6におけるSnapdragon X Eliteのベンチマークテスト結果が発見されたとしてX上で公表している値も興味深い物だ。
これによると、Snapdragon X Eliteは、Geekbench 6 のシングルコア テストで 2,427 ポイント、ベンチマークのマルチコア テストで 14,254 ポイントを獲得している。Snapdragon X Elite4.3GHzのピークターボ周波数によって非常に高速になることは、以前の公式報道から予想されたことだが、今回のGeekbench 6の結果は、QualcommがSnapdragon X Eliteの性能目標を達成したことを裏付けるものと言えるだろう。
Sources
- PC World: Qualcomm says Snapdragon X Elite kicks Intel Core Ultra’s butt, too
- GeekBench 6: LENOVO 4810UV0100
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