発売当初は深刻な品薄と価格高騰に見舞われたNVIDIAのGeForce RTX 5090だが、供給量が大幅に増加する見込みだ。NVIDIAはAI向けGPUの需要減速を受け、生産ラインをゲーミングGPUへシフト。数週間から1ヶ月程度で市場の状況が改善するとの情報が報告されている。
RTX 5090の供給量が大幅増加へ
NVIDIAの最新ハイエンドGPUであるGeForce RTX 5090の供給状況に改善が見られるかもしれない。著名リーカーのMEGAsizeGPUが、RTX 5090のGPUであるGB202の生産が大幅に増加し、「供給量が近日中に非常に多くなる」と主張しているのだ。
MEGAsizeGPUは、少なくとも1つのAIB(Add-in Board)パートナーがすでに「大量のカード」を保有していると報告している。これは、NVIDIAがRTX 5090の供給量を大幅に増やしていることを示唆するものだ。MEGAsizeGPUは、供給量の増加が消費者に届くのは約1ヶ月後になると予測している。これが事実であれば、2025年の4月以降には供給が大幅に改善され、価格も正常化する可能性がありそうだ。
背景にはAI向けGPU需要の変化
今回のRTX 5090の供給量増加の背景には、NVIDIAのAI向けGPUの需要変化があると分析されている。Wccftechは、Blackwell B200 GPUなどのAI製品の需要が鈍化していることが、NVIDIAが一般消費者向けGPUの生産に注力する理由の一つであると分析している。企業がカスタムASIC(特定用途向け集積回路)への移行を検討し始めたことで、NVIDIAのAI GPUの需要が予想ほど伸びていない可能性があるというのだ。
AI向けGPUの利益率が高い一方で、生産設備を遊ばせておくわけにはいかないため、NVIDIAは余ったTSMCの4nmウェーハを再利用し、一般消費者向けGPUの増産に回したと考えられる。一般消費者としては嬉しいニュースだが、投資家からすれば余り歓迎出来ない情報ではある。
RTX 5070/5060シリーズやAMDとの競争
RTX 5090の供給改善は、今後発売されるRTX 5070やRTX 5060シリーズにも好影響を与える可能性がある。エントリー向けのRTX 5070とRTX 5060が数週間以内に発売されると予測されており、AMDのRX 9070および9070 XTカードとの競争が予想される。
実際にAMDのRX 9070シリーズの発売が近づいている現在、NVIDIAが一般消費者向けGPUの供給量を増やすことは、市場競争を激化させる上で理にかなっているだろう。RTX 5090の供給量が増加することで、NVIDIAは一般消費者向けGPU市場における優位性を強化し、AMDとの競争に備えて臨むことができる。
今回のRTX 5090の供給量増加の情報は、長らく品薄状態と価格高騰に苦しんできたゲーマーにとって朗報と言えるだろう。特に、情報源の信頼性が高いMEGAsizeGPUであることから、この情報の信憑性は高いと考えられる。
ただし、噂はあくまでも噂であり、実際の供給量や価格にどのように影響するかは、今後の市場動向を注意深く見守る必要がある。また、RTX 5090Dなど、地域によっては供給量が限定的なモデルも存在するため、全体的な供給改善を早急に期待するのは禁物だ。
いずれにせよ、NVIDIAが一般消費者向けGPUの供給優先度を高める戦略的な方向性を示していることは、一般消費者向けGPU市場全体にとって前向きな兆候と言えるだろう。競争の激化と供給量の増加により、消費者はより有利な価格でハイエンドGPUを入手できる機会が増えることが期待される。
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