Intelの次世代モバイルアーキテクチャ「Lunar Lake」は、Computexでその詳細が明らかにされたが、具体的な搭載製品の発売日は不明なままだった。同社は2024年第3四半期に出荷されると述べていたが、一部では遅延の懸念も表明されていた。だが、本日生産が開始されたことが明らかとなったことで、当初の計画通りの出荷になりそうだ。
TSMCのN3BプロセスでIntel向けチップの生産が開始、Lunar Lakeは2024年第3四半期から順次リリースか
IntelのLunar Lakeは初めてコンピュート・タイルがTSMCによって製造されるプロセッサとなる。
PコアとEコア、iGPU、NPU、メモリ・コントローラー、サイドキャッシュなどを含むコンピュート・タイルはTSMCの3nm「N3B」プロセスで製造され、SoCとI/Oコンポーネントを含むSoCタイルは「N6」プロセスで製造される。ベース・タイルのみがIntel製(22FFLまたはP1227.1)となる。今回、DigiTimesの報道によると、TSMCによるこのN3Bチップの量産が始まったとのことだ。また、ここでは合わせてIntelの次期デスクトッププロセッサ「Arrow Lake」で用いられる3nmチップの生産も開始されたことが報じられている。
Intelは、予定通り下半期に新旧NBプラットフォームの転換を開始する。第3四半期末にはLunar Lakeシリーズを、第4四半期にはArrow Lakeシリーズを投入する。最大の目玉は、TSMCのコンピュート・タイルの初リリースである。ついに、TSMCが長期にわたって展開してきた3nmカスタマイズ・プロセス技術を採用し、最近生産を開始した。
TSMCは既にAppleのA17 ProやM3及びM4チップを3nmプロセスで製造していたが、それ以外のメーカーの3nmチップを製造するのは今回が初めてとなる。
既にLunar LakeがTSMCの3nm「N3B」プロセスで作られることは判明していたが、Arrow LakeにN3Bプロセスチップがどのように使われるのかは不明だ。Lunar Lakeも元々Intel 18Aプロセスでの製造が計画されていたが、TSMCに変更になっており、同じくIntel 20Aでの製造が計画されていたArrow Lake の特定のタイルもTSMCのN3Bプロセスに置き換えることが予想される。
Arrow LakeとLunar Lakeプロセッサは、Pコア「Lion Cove」とEコア「Skymont」を使用するコンピュート・タイルを搭載するという点では非常によく似ている。主な違いは、iGPUとI/O/SOCタイルの差にあり、Arrow LakeにはAlchemist & Alchemist+ Xe/Xe+アーキテクチャ、Lunar Lakeには最先端のXe2 GPUといった異なるコアとテクノロジーが使用されている。
Arrow LakeもLunar Lakeと同じPコアとEコアを採用する事が判明していることから、TSMCがこれらを含むLunar Lake向けタイルを製造するのならば、Arrow Lake用も製造するのが妥当かも知れない。
TSMCで製造されたコンピュート・タイルとSoCタイルは、その後Intelに送られ、ベース・タイルとともにFoverosパッケージが製造される。その後、LPDDR6XメモリとのパッケージングがTSMCで行われ、完成したLunar Lakeプロセッサが製造され、ノートPCメーカーに納品される形だ。
今回の報道が事実ならば、Intelは第3四半期にLunar Lakeを、第4四半期にArrow Lakeをリリースすることが可能になると見られる。
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