宇宙について考えるとき、何を思い浮かべるだろうか? 友人が最近訪れた広々とした建物やスタジアム、美術館を自慢しているところを想像してみよう。その建物を広大で広々としたものとして思い描くだろうか? 単に非常に大きいだけなのか、それとも空っぽに見えるだろうか?
「広々とした」という言葉は、必ずしも空っぽという意味ではない。単に、中にある物の周りを動き回るのに十分な余地があることを示しているだけである。同様に、宇宙空間も完全に空っぽではない。広大で永遠に膨張し続けているが、その中にはたくさんのものが存在している。
子供の頃、私は雲がどれくらい遠くにあるのか、地球の外には何があるのか、宇宙はどれほど広大なのかといった疑問を抱いていた。この好奇心が、私を天文学の修士号と博士号の取得へと導いた。テキサス大学アーリントン校の物理学教授として、まさにこれらの概念について20年間教えてきた。
宇宙はどこから始まるのか?
地球はさまざまな気体の層に囲まれている。海面レベルでは、地球の大気には1立方センチメートルあたり約1000億個の分子が含まれている。上昇するにつれて、大気はどんどん薄くなっていく。
高度約50〜62マイル(80〜100 km)では、飛行機が飛ぶのに十分な空気がない。地球の大気と宇宙空間を分けるこの境界は、ハンガリー系アメリカ人の技術者・物理学者Theodore von Kármánにちなんでカーマン・ラインと呼ばれている。カーマン・ラインより上のすべてが宇宙と呼ばれる。
宇宙の密度は変化することがあるが、平均して1立方センチメートルあたり約1個の原子しかない。想像してみてほしい – サイコロサイズの地球大気の立方体には数十億個の空気粒子が含まれている。しかし宇宙では、同じサイズの立方体にはわずか1〜2個の粒子しか含まれていない。
星間物質と放射線
宇宙、または宇宙空間は、広大でほぼ完全な真空であり、物質がほとんど存在しない。この真空には、地球の大気と比べてごくわずかな粒子しか含まれていない。しかし、完全に空っぽというわけではない。
宇宙には星間物質と呼ばれる散在する物質が点在しており、これには水素原子とヘリウム原子が含まれる。これらは宇宙で最も一般的な元素であり、電荷を帯びた形態と中性の形態の両方で存在する。星間物質には宇宙塵も含まれており、これは炭素やケイ素などのさまざまな元素の微小粒子が宇宙全体に散らばっているものである。
宇宙線と呼ばれる高エネルギー粒子 – 主に陽子と原子核 – が光速に近い速度で宇宙を移動している。宇宙線は太陽を含むさまざまな星や、超新星、ブラックホールに落ち込む物質、衝突する銀河などから発生する。
宇宙はさまざまな形態の放射線で満たされており、その中には宇宙マイクロ波背景放射も含まれる。これは宇宙の起源から残された熱である。超新星やブラックホールなどの高エネルギー宇宙現象もX線やガンマ線を放出する。
星や惑星、その他多くの天体が生成する磁場も宇宙に遍在している。これらの磁場は、磁石のように荷電粒子を引き寄せたり反発したりすることで、荷電粒子の動きに影響を与える。
ダークマターとダークエネルギー
科学者たちは、光やエネルギーを放出しない未だ見ぬ形態の物質であるダークマターが、宇宙の質量の大部分を占めていると予測している。研究者たちは、他の可視物質への重力的な引力が観測できることから、ダークマターが存在すると推測している。
同様に、科学者たちは、ダークエネルギーと呼ばれる謎のエネルギー形態が宇宙の加速膨張を引き起こしていると予測している。ダークマターとは異なり、ダークエネルギーは物質や重力と関係しておらず、空間そのものの特性である。
宇宙を風船のように想像してみよう。ダークマターは風船の材料のようなもので、その形に影響を与える。一方、ダークエネルギーは風船に送り込まれる空気のようなものだ。風船の材料を変えることはないが、風船がどれだけ速く膨張するかに影響を与える。
宇宙は歪むのか? 重力は空間を曲げることができるのか?
宇宙も歪むことがある。宇宙を大きな伸縮性のあるトランポリンのようなものだと想像してみよう。トランポリンの中央に重いボール、例えばボウリングの球を置くと、大きな凹みができる。この凹みは、惑星や星のような大きなものの周りで宇宙が歪む様子に似ている。ボールが大きいほど、重力は強くなり、凹みは深くなる。
中央にボウリングの球が置かれたトランポリンの上で小さなビー玉を転がすと、ボウリングの球の重力によってできた凹みの周りを回り始めるかもしれない。ビー玉は凹みの曲線に沿って動く。これは、惑星が太陽の周りの宇宙の曲線に沿って動くのと同じである。
トランポリンの上で懐中電灯を照らすところを想像してみよう。光がボウリングの球によってできた凹みの近くを通過すると、進む途中で少し曲がるかもしれない。これは、光が宇宙の非常に大きな物体、例えば銀河の近くを通過するときに曲がるのと同じである。
巨大な重力を持つブラックホールを、さらに大きく深い凹みのあるトランポリンだと考えてみよう。この超深い凹みの近くにビー玉を転がすと、中に落ちて消えてしまうだろう。これは、物事が宇宙のブラックホールに引き込まれて逃げられなくなるのと同じである。
つまり、宇宙は重力の大きなものの周りで歪んだり曲がったりすることができる。それはちょうど、トランポリンの上に重いボールを置いたときに曲がるのと同じである。
宇宙は単なる空虚以上のものである。粒子、放射線、磁場、そして謎めいた形態の物質とエネルギーが混在している。宇宙を3Dの遊び場として想像してみよう。その中に星や惑星、星雲、銀河といった物体が存在し、それらが一緒になって私たちの魅力的で複雑な宇宙を形作っているのである。
コメント