AppleがWWDC 2024で発表したiOS 18及びiPadOS 18には、AI(Apple Intelligence)による数々の新機能に加え、設定アプリのブラッシュアップや、ホーム画面等のUIの変更に加え、「ゲームモード」が追加された。これは既に昨年リリースされたmacOS Sonomaで導入された物で、ゲームコンテンツ動作時のパフォーマンスを向上させるものだが、これがiOS/iPadOSにも導入された形だ。
ゲームモード:iPhoneやiPadのゲーム体験を向上させる
iOS 18及びiPadOS 18では、ユーザーがゲームプレイを開始すると特別な「ゲームモード」に入るようになる。具体的には、以下の最適化が行われるようだ:
- iPhone/iPadのバックグラウンド処理を最小限に抑え、数時間のプレイ後でも一貫して高いフレームレートを維持する。
- Bluetoothゲームコントローラー使用時のレイテンシーを大幅に削減する。
- AirPodsを使用した際のオーディオのレイテンシーを大幅に削減する。
このゲームモードへの切り替えはOSによって自動的に行われるため、ユーザーが何か特別な作業を行う必要はない。実際にゲームを起動すると、下の様なポップアップ表示が現れ、ゲームモードが適用されていることが確認出来る。
自動的にオンになるゲームモードだが、あえてこれをオフにしたい場合は、上記の通知が表示されている際に通知アイコンをタップするか、ディスプレイ右上から下にスライドして表示される「コントロールセンター」の上部にプレイ中のゲームタイトルと「ゲームモード」の表記があるので、それをタップすれば以下の様に切り替えメニューが表示され、ゲームモードのオン・オフが切り替えられるようになっている。
ゲームモードがオンの場合は、通知センターのアイコン表記が青色になっているが、ゲームモードをオフにすると以下の様に通知センターのアイコンは灰色表記に切り替わる。
具体的にどの程度差があるのかは今後の検証が必要だが、高度な3Dグラフィックを多用した『原神』や『アサシン クリード ミラージュ』などのゲーム、音ゲーをAirPodsでプレイする際など、オーディオレイテンシーの低減が重要となる場面では恩恵が感じられると思われる。
逆に言えば『パズル&ドラゴンズ』などのライトなゲームでは余り効果が感じられない可能性もありそうだ。
とは言え、こうした機能の追加はAppleによるゲームへの取り組みが本気である事を示唆する物でもある。Windowsゲームの移植ツール「Game Porting Toolkit 2」も新たにAVX2命令セットに対応し、より高度なゲームの移植が可能となり、M4チップ以降のデバイスでは更に優れたゲーム体験が可能になることも予想される。
ゲームモードが使えるiPhone及びiPad
iPhone及びiPadのゲームモードは、iOS 18及びiPadOS 18で実装されているため、このOSに対応しているデバイスで利用が可能だ。具体的には以下のデバイスが対象となる。
iPhone
- iPhone XR iPhone XSとXS Max
- iPhone 11 iPhone 11 Proと11 Pro Max
- iPhone 12と12 mini
- iPhone 12 Proと12 Pro Max
- iPhone 13と13 mini
- iPhone 13 Proと13 Pro Max
- iPhone 14と14 Plus
- iPhone 14 Proと14 Pro Max
- iPhone 15と15 Plus
- iPhone 15 Proと15 Pro Max
- iPhone 16と16 Plus
- iPhone 16 ProとPro Max
- iPhone SE(第2世代)
- iPhone SE(第3世代)
iPad
- iPad Pro(M4)
- 12.9インチiPad Pro(第3世代以降)
- 11インチiPad Pro(第1世代以降)
- iPad Air(M2)
- iPad Air(第3世代以降)
- iPad(第7世代以降)
- iPad mini(第5世代以降)
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