MicrosoftがWindows 11の定番アプリケーションであるノートパッドとペイントに、生成AI機能を新たに追加することを発表した。これらの機能は現在、Windows InsiderのCanaryおよびDevチャネルのユーザーを対象にテスト配信が開始されている。1980年代から親しまれてきた両アプリケーションが、40年の時を経て大きな進化を遂げようとしている。
AIを活用した「Paint」の進化:生成塗りつぶしと生成消去ツール
Windows 11のペイントには、AI機能を活用した「生成塗りつぶし(Generative Fill)」と「生成消去(Generative Erase)」が導入された。これらのツールは、画像編集をより直感的で簡便にすることを目指し、Windows Insiders向けのCanaryおよびDevチャンネルで提供開始されている。
生成塗りつぶしツールは、ユーザーが選択した特定の領域をAIが生成したアートで「塗りつぶす」機能である。この機能は、選択した領域の背景や既存のアートスタイルに自然に融合させることが可能で、まるで手作業で追加したかのような仕上がりを実現する。さらに、Snapdragon搭載のCopilot+ PC限定で提供されるため、PCのハードウェアが活用されて高速な生成が期待される。
一方、生成消去ツールは、不必要な物体を画像から削除するためのものである。消去した場所には、元の背景が自然に埋め込まれ、違和感のない画像編集が可能となる。フォトアプリでも類似の機能が提供されているが、ペイントに導入されたことで、より手軽でフリーな画像編集体験が提供されることとなった。
ノートパッドにAIがもたらす革新:リライト機能
ノートパッドにも新たにAI機能が加わり、「リライト」ツールが実装された。このツールは、選択したテキストをAIが自動的に再構成し、内容を再表現するものである。具体的には、文章の調子や長さを調整することで、ユーザーのニーズに合わせた文章に再編集することが可能だ。この機能は、Windows Insidersの米国、フランス、英国、カナダ、イタリア、ドイツのユーザーがMicrosoftアカウントでサインインすることで利用できる。
ノートパッドのリライト機能は、長年の要望に応えたものであり、簡単なキーボードショートカットやメニューバーからアクセスできる。テキストの長さや調子の調整、フォーマットの変更もサポートしており、文章の作成や編集作業を迅速に行うことができる。
Xenospectrum’s Take
AIの導入によるMicrosoft PaintとNotepadの進化は、シンプルなツールを多機能で直感的に変える一歩となっている。とりわけ、AIを活用した生成塗りつぶしやリライト機能は、専門的な知識を持たないユーザーでも高品質な編集を実現できるものであり、MicrosoftのWindows 11が日常利用におけるAIの普及に寄与しているといえるだろう。
今後、AIツールの精度や対応するPCの範囲が拡大されれば、さらに多くのユーザーが恩恵を受け、Windows 11の付加価値が高まることが期待される。
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