Elon Musk氏率いるAI企業xAIが、約400億ドルの評価額での新規資金調達に向けて投資家との協議を進めていることが明らかになった。Wall Street Journalの報道によると、同社は数十億ドル規模の資金調達を目指している。これは、わずか5ヶ月前に240億ドルの評価額で60億ドルを調達して以来の大型資金調達となる見込みである。
大規模な計算インフラ拡張が背景に
xAIは現在、「Colossus」と呼ばれる大規模なAIトレーニングシステムの拡張を進めている。このシステムは現在、10万枚のNVIDIA H100 GPUカードを搭載しており、Muskは「世界最強のAIトレーニングシステム」と評している。
H100 GPUの市場価格は1枚あたり3万から4万ドル程度とされており、現在のシステム構築だけでも約30億ドルの投資が必要だったと推定される。さらに、システムの運用には小規模な都市に匹敵する約35メガワットの電力を消費する。
注目すべきは、Muskが今週、このColossuデータセンターのGPU数を現在の10万枚から20万枚へと倍増する計画を発表したことである。この拡張計画が、新たな資金調達の主要な理由の一つとなっている。
競争力強化に向けた戦略的投資
xAIは2023年の設立以来、着実に技術開発を進めている。同社は最新モデルのGrok-2を8月にリリースし、GPQAなどのベンチマークテストでOpenAIのGPT-4やMetaのLlama3 405Bモデルを上回る性能を達成したと主張している。
さらに、同社はMuskが保有するSNSプラットフォームXの強みを活かす戦略を展開している。最近、Xはプライバシーポリシーを変更し、xAIを含む第三者がXの投稿データを用いてモデルトレーニングを行うことを可能にしている。
Sources
- The Wall Street Journal: Elon Musk’s xAI in Talks to Raise Funding Valuing It at $40 Billion
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