Appleが最新プロセッサファミリーM4シリーズの全貌を明らかにした。TSMCの第2世代3nmプロセスで製造される新チップは、M4、M4 Pro、M4 Maxの3モデルで展開され、特にプロフェッショナル向けのProとMaxモデルで大幅な性能向上を達成している。
出揃ったM4チップファミリー
AppleのM4チップファミリーは、昨年iPad Proでデビューを飾ったM4チップを皮切りに、今回のMacBook ProへのM4 Max搭載で一旦は全てが出揃ったと思われる。今後Mac やMac StudioにM4 Ultraが搭載して登場する可能性もあるだろうが、それは一旦置いておこう。それぞれのM4ファミリーの比較は以下の通りだ:
CPU(Pコア/Eコア) | GPUコア | RAM容量 | ディスプレイサポート(内部含む) | メモリ帯域幅 | |
---|---|---|---|---|---|
Apple M4 (低) | 4/4 | 8 | 16/24GB | 最大2つ | 120GB/秒 |
Apple M4(高) | 4/6 | 10 | 16/24/32GB | 最大3つ | 120GB/秒 |
Apple M4 Pro (低) | 8/4 | 16 | 24/48/64GB | 最大3つ | 273GB/秒 |
Apple M4 Pro(高) | 10/4 | 20 | 24/48/64GB | 最大3つ | 273GB/秒 |
Apple M4 Max(低) | 10/4 | 32 | 36GB | 最大5つ | 410GB/秒 |
Apple M4 Max(高) | 12/4 | 40 | 48/64/128GB | 最大5つ | 546GB/秒 |
M4 Proが示す第4世代Appleシリコンの進化
前世代からの飛躍的な性能向上
M4 Proは、前モデルM3 Proから大幅な仕様向上を実現している。最大14コアCPU(10パフォーマンスコア+4効率コア)を採用し、20コアGPUと組み合わせることで、M1 Pro比で1.9倍のCPU性能と2.4倍のGPU性能を達成した。
特筆すべきは、メモリ帯域幅が前世代から75%増加し、273GB/sに到達した点である。これは競合のAI対応PCチップの2倍の帯域幅であり、機械学習や画像処理などの高負荷タスクでの優位性を確保している。
柔軟なメモリ構成
M4 Proは最大64GBの統合メモリをサポートし、研究開発やコンテンツ制作など、大容量メモリを必要とする専門的な用途にも対応。新たに採用されたThunderbolt 5インターフェースにより、最大120Gb/sのデータ転送速度を実現している。
M4 Max:究極のプロフェッショナルコンピューティングを実現
M4 Maxは、M4シリーズの最上位に位置するフラッグシップモデルとして、最大16コアCPU(12パフォーマンス+4効率)と最大40コアGPUを搭載。メモリ帯域幅は最大546GB/sに達し、最大128GBの統合メモリをサポートする。これらの仕様により、M1 Max比で2.2倍のCPU性能、1.9倍のGPU性能を達成。最新のAI対応PCチップと比較しても、CPUで2.5倍、GPUで4倍という圧倒的な性能差を示している。
M4 Maxは2つの構成で提供される。ベースモデルは14コアCPU、32コアGPU、410GB/sのメモリ帯域幅、36GBの統合メモリを搭載。一方、上位モデルは16コアCPU、40コアGPU、546GB/sのメモリ帯域幅、48GBの統合メモリを実現している。
上位モデルへのアップグレードには5万円の追加投資が必要となるが、帯域幅とメモリ容量を含む包括的な性能向上が得られる。
次世代インターフェースの採用でエコシステムを強化
M4 ProとM4 MaxはともにThunderbolt 5を標準搭載し、120Gb/sの双方向データ転送を実現している。この高速インターフェースにより、8K/4K外部ディスプレイの複数接続や大容量データの超高速転送、外部GPUや高速ストレージとの連携強化が可能となった。特に映像制作や3DCG制作などのプロフェッショナルワークフローにおいて、その真価を発揮することが期待される。
Source
- Apple: Apple、M4 ProとM4 Maxを発表
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