任天堂の次世代ゲーム機「Nintendo Switch 2(仮称)」の初期出荷台数が、歴代ゲーム機で最大規模となる約700万台規模になる可能性があるようだ。更に情報筋によれば、米国市場における出荷台数は初代Nintendo Switchの2.5倍に設定される見通しだという。
Nintendo Switch 2 大規模な初期出荷計画の詳細
任天堂が次世代機の発売に向けて、供給不足による転売問題を防止することを最優先課題として位置づけていることは、同社の古川社長が株主総会で明らかにしていた。
Q:「 Nintendo Switchの後継機種の転売対策について聞きたい。昨年の株主総会で、ハードウェアの生産量を十分に確保することによって転売対策を行うと話していたが、対策は進んでいるのか」。
古川:「転売への対策として、お客様の需要を満たせる数をしっかりと生産することが最重要だと考えており、昨年からこの考えは変わりません。それ以外にも、各地域の事情を踏まえて、法令の許す範囲で何らかの対策ができないか検討を進めています。」
任天堂第84期定時株主総会 質疑応答(要旨)
今回、情報筋によれば、米国市場におけるNintendo Switch 2の初期出荷台数が初代モデルの2.5倍となる見込みである事が報告されている。この比率を全世界に当てはめると、初期出荷台数は650万台から700万台規模に達する可能性があるのだ。これは2020年に発売されたPlayStation 5やXbox Series X|Sの初期出荷台数を大きく上回る規模となる。
この大規模な出荷計画の背景には、前世代機での教訓がある。2023年度第2四半期までのNintendo Switch累計販売台数は1億4604万台を突破しており、巨大な既存ユーザーベースが存在する。任天堂は十分な供給体制の構築を表明しており、PlayStation 5やXbox Series X|Sで発生した深刻な品薄状態の再現を回避する方針を示している。
任天堂の次世代機はどのようなものに?
Nintendo Switch 2の詳細な仕様は依然として明らかにされていないものの、ハードウェアの基本設計はすでに最終段階に入っているとされる。情報筋によれば、任天堂は2024年度の生産目標として1000万台を設定しており、これは同社の過去の本体発売時と比較しても極めて意欲的な数字となっている。
特筆すべきは、現行機種との後方互換性の維持を公式に表明している点である。これにより、すでに累計販売本数1億4600万台を誇るNintendo Switchの豊富なソフトウェア資産を活用できる体制が整うことになる。この戦略は、プレイヤーの円滑な移行を促進するだけでなく、開発者にとっても新プラットフォームへの参入障壁を大幅に低下させる効果が期待される。
さらに、任天堂は半導体調達の安定化にも注力している。現行のNintendo Switchで採用されているNVIDIA社のカスタムチップに関する知見を活かしつつ、サプライチェーンの多様化を進めているとされる。これは、コロナ禍で露呈した供給網の脆弱性への対策として機能することが期待される。
加えて、任天堂は新型機の発表時期についても慎重な姿勢を見せている。競合他社の動向や市場環境を注視しながら、最適なタイミングを模索しているとみられる。ハードウェアの完成度を高めつつ、十分な初期ソフトウェアラインナップを確保することで、発売後の継続的な成長を目指す戦略が垣間見える。
販売価格は大幅な値上げは避けられない?
700万台という初期出荷規模は、一見すると野心的に映るかもしれない。しかし、現行のNintendo Switchユーザー1億4600万人の約5%が買い替えを検討すると仮定しても、初期需要は優に700万台を超える計算となる。むしろ、この台数でも発売後の品薄状態は避けられないかもしれない。任天堂の保守的な市場予測と強気の供給体制は、PlayStation 5の発売時の混乱を教訓としたものだろう。ただし、半導体市場の変動リスクは依然として存在しており、計画通りの供給が実現するかは予断を許さない。
また、日本においては円安がこれほど進んだ中で、同社がどのような価格設定をしてくるかも気になるところだ。先日発売したAlarmoは、米国での価格が99.99ドルのところ、日本では129,800円となっており、1ドル130円換算での値付けとなっていた。400ドルから500ドルでの販売が予想されているが、これは日本円で52,000円~65,000円となる。初代からの大幅な値上げは避けられそうになさそうだ。
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