AMDの次世代ハンドヘルドゲーミング向けAPU「Ryzen Z2」シリーズの詳細情報が、中国のハードウェアリーカーとして知られるGolden Pig Upgrade Packによってリークされた。新シリーズは「Ryzen Z2 Extreme」「Ryzen Z2」「Ryzen Z2G」の3モデルで構成され、興味深いことに全モデルで12CU(Compute Units)を採用するという。
AMD Ryzen Z2シリーズを3つのセグメントで展開へ
当初、AMDは16CUを搭載した「Ryzen Z2 Extreme X」の開発も検討していたとされるが、消費電力の制約により開発中止となったようだ。これは、12 CU以上の構成ではパフォーマンスの向上が電力消費に見合わないという判断があったものと推測される。
フラッグシップモデル「Ryzen Z2 Extreme」の詳細
Ryzen Z2シリーズの最上位モデルとなるRyzen Z2 Extremeは、「Strix Point」シリコンをベースに開発されている。このモデルの特徴は以下の通りだ:
- RDNA 3.5アーキテクチャを採用した12CUのRadeon 880M統合GPU
- 8コアCPU構成(3基のZen 5コアと5基のZen 5cコア)
- 16MBのL3キャッシュ
- コアあたり1MBのL2キャッシュ(合計8MB)
ミドルレンジモデル「Ryzen Z2」とエントリーモデル「Z2G」
標準モデルのRyzen Z2は、「Hawk Point」シリコンを採用し、RDNA 3アーキテクチャベースの12CUを搭載する。これは現行のRyzen Z1 Extremeと同等の仕様となるが、前世代のRyzen Z1と比較すると3倍のCU数となる。CPUについては、Ryzen 9 8945HSと同様の8コアZen 4構成、もしくはハイブリッド構成が予想される。
エントリーモデルとして位置づけられるRyzen Z2Gは、Ryzen 6000「Rembrandt」シリーズをベースとしたリフレッシュモデルとなる。RDNA 2アーキテクチャベースの12 CUと、8コアのZen 3+を組み合わせた構成で、既存のRyzen 7 6800U/7735Uの改良版という位置づけとなるようだ。
今回リークされたRyzen Z2シリーズの仕様から、AMDがハンドヘルドゲーミング市場により強くコミットする姿勢が見て取れる。特筆すべきは、全モデルで12CUという統一された構成を採用している点だ。これにより、各モデル間の性能差は15-20%程度に収まると予想され、価格帯に応じた明確な製品ポジショニングが可能となる。
また、Intel「Core Ultra 200V」の2025年初頭登場が予想される中、AMDはこの新シリーズで市場におけるリーダーシップを強化しようとしているのは明らかだ。ただし、具体的な発売時期や価格については未だ明らかになっていない。2025年前半の発売が予想されるが、正式発表を待つ必要がある。
個人的に最も興味深いのは、16CU搭載モデルの開発中止の判断だ。これは、モバイルデバイスにおける性能と電力効率のバランスポイントを示す重要な指標となるかもしれない。今後の正式発表で、これらの情報がどこまで確認されるか、注目していきたい。
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