NVIDIAの次世代フラッグシップGPU「GeForce RTX 5090」の独立ベンチマーク結果が複数リークされ、APIによって異なる性能向上が確認された。Vulkanでは現行のRTX 4090と比較して最大37%の性能向上を示し、CUDAテストでは27%、OpenCLでは16%の向上を記録している。
GeForce RTX 5090ベンチマーク結果の詳細分析
Geekbenchによる一連のテストでは、RTX 5090の性能が測定プラットフォームによって大きく異なる結果となることが明らかになった。最も顕著な性能向上を示したのはVulkan APIでの測定で、スコアは359,557ポイントを記録。これは現行のRTX 4090が26,000ポイント前後であることを考慮すると、約37%の性能向上を意味する。
一方、OpenCLテストでは367,740ポイントを記録し、31,700ポイント前後のRTX 4090との差は16%に留まった。
さらにCUDA性能においては542,157ポイントを達成し、RTX 4090の平均42,400ポイントから27%の向上を示している。これらの結果は、Blackwellアーキテクチャが現時点では特にVulkan APIでの処理に最適化されていることを示す物と言えるだろう。
ただし、リークされたベンチマークでは、複数の異なるテスト環境が使用されている。CUDA性能測定には、AMD Ryzen 9 7900X(12コア/24スレッド)とDDR5-6000メモリを搭載したシステムが使用された。一方、VulkanとOpenCLのテストではIntel Core i9-12900KとDDR4-3600メモリの組み合わせが採用されており、この違いが結果に影響を与えている可能性もありそうだ。
RTX 5090の心臓部となるGB202チップは、744mm²のダイサイズに約920億のトランジスタを集積。4NPプロセスを採用し、1mm²あたり約1.23億トランジスタという高密度を実現している。またGDDR7メモリの採用により、メモリ帯域幅の向上も期待される。
NVIDIAは、RTX 5090の日本での推奨小売価格を393,800円に設定し、1月30日の発売が予定されている。
Xenospectrum’s Take
今回リークされたベンチマーク結果は、NVIDIAの新世代GPUが示す性能向上の本質を浮き彫りにしている。37%というVulkanでの大幅な性能向上は印象的だが、それ以外のAPIでの控えめな向上幅は、単純な処理性能の向上だけでは市場の期待に応えられないことを示唆している。
特に注目すべきは、NVIDIAが主張する「RTX 4090との2倍の性能差」がDLSS 4を前提としている点だ。つまり、純粋なラスタライゼーション性能では30%程度の向上に留まることを、暗に認めているとも解釈できる。
前世代からの大幅な値上げを正当化できるかは、DLSS 4の実性能とマルチフレーム生成の実用性にかかっている。単純な処理性能だけでなく、これらの付加価値機能が製品の競争力を左右するだろう。
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