NPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)は、Copilot+ PCが登場し、その要件に必須の条件である事からも最近よく聞くようになった物だが、AIの処理に用いられるイメージの強いこのNPUをゲームの省電力化に用いる試みがPowerColorによって進められている。
NPUを併用するゲームの新たな可能性
PowerColorがComputexにて披露した新たなテクノロジー「Edge AI」は、AMD Radeon RXグラフィックボードとNPUを併用し、消費電力を削減できるものの様だ。
PowerColorの主張では、『Cyberpunk2077』では263.2Wだった消費電力が、NPUを併用することで205.3Wまで削減され、『Final Fantasy XV』も338.6Wだった物が262.9Wにまで削減されたという。どちらも削減幅は22%程度だ。対してAMD Power Savingによる削減幅は19%前後だったということで、NPUによる削減効果が大きいことを謳っている。
ただし、IT Mediaの現地リポートによると、その分FPSも低下していたということで、その効果が果たしてNPUによる物なのか、FPSを低減させただけなのかと言うところは少し疑問も残る。
また、このEdge AIに用いられるNPUがRyzenなどのプロセッサに統合されたNPUなのか、グラフィックボードに新たに搭載される物なのかも不明だ。なお、最新のRyzen 9000シリーズを見るように、デスクトップ向けプロセッサでNPUが搭載される気配は今のところないため、もしこの技術が実用化されるのならば、恐らく後者が有力と見られる。
NPUをこうしてゲームに活かそうという試みは、Microsoft自身によっても進められており、NPUを使って自動でゲーム画面のアップスケーリングを行う「Automatic Super Resolution」という機能がCopilot+ PCでは利用できるようだ。
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