Intelは、第13世代及び14世代Core i9プロセッサがクラッシュする問題について、マザーボードメーカーが適切な電源設定を行っていないために生じた問題だとする報告を発表し、新たな「Default Setting」を設けるように要請したが、どうやら根本的な原因の特定には至っていないようだ。
eTVBに関連する問題である可能性
Igor’s Labは、Intelの内部文書とされる今回のCoreプロセッサにおけるクラッシュの調査結果とされるものを入手し共有している。それは、以下の通りだ。
- 根本原因:根本原因は、eTVB機能に関連するマイクロコードアルゴリズムの値の誤りである。
- 影響:高温での周波数と対応する電圧の上昇により、プロセッサの信頼性が低下する可能性がある。
- 観察:内部で発見された。
- 影響を受けるプラットフォーム:Raptor Lake S、Raptor Lake Refresh S (CPUID 0xB0671)
第13世代および第14世代のK SKUプロセッサの故障解析(FA)は、影響を受けたプロセッサが高いコア電圧に累積的にさらされた結果、最小動作電圧が変化することを示している。Intelの解析によれば、この問題の確認された一因は、プロセッサが高温状態でもターボ周波数および電圧で動作することを許可する以前のBIOS設定によるプロセッサへの高い電圧入力である。以前の世代のIntel K SKUプロセッサは、デフォルトの動作電圧および周波数が低いため、このような設定に対してあまり敏感ではなかった。
Intelはすべての顧客に対し、2024年7月19日までにBIOSをマイクロコード0x125以上に更新するよう要請している。
Igor’s Lab
ここで登場する「eTVB(Enhanced Thermal Velocity Boost)」とは、IntelのRaptor Lake Sプロセッサ用に特別に開発された技術で、利用可能な熱容量と消費電力に応じて、プロセッサコアを最大ターボ周波数を超えて自動的にオーバークロックすることでCPU性能を最適化する機能だ。これは特に高クロック動作を必要とするゲームやアプリケーションに有用で、Intelはこの技術を最新のデスクトップCPUに統合し、適切な冷却ソリューションと組み合わせることで、ユーザーに最大の性能を提供する機会を与える物だった。
これに対し、Intelの広報担当者Thomas Hannaford氏はThe Vergeに声明を出し、これはクラッシュの原因を調査する中で発覚したバグではあるが、クラッシュの根本原因は未だ特定できておらず、原因は別にあると述べている:
「最近のメディア報道に反して、Intelは根本原因を特定しておらず、パートナーと共にアンロックされた第13世代および第14世代(K/KF/KS)デスクトッププロセッサの不安定性に関するユーザー報告を調査し続けています。プレス報道で言及されたマイクロコードパッチは、不安定性の報告を調査する際にIntelが発見したeTVBバグを修正するものです。この問題は不安定性に寄与する可能性があるが、根本原因ではありません」。
The Verge
結局の所、いまだ原因は特定出来ない状況のようだ。早期にこれが解決され、Intel製品が安心して使える時が来ることを願いたい。
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