AMDのZen 5アーキテクチャに基づく次世代デスクトップCPU「Ryzen 9000」シリーズについては、フラグシップの「Ryzen 9 9950X」についてはいくつかベンチマークテストの結果が登場しているが、今回そのすぐ下のSKUとなる「Ryzen 9 9900X」の性能データが初めて公開された。12コア24スレッドを誇るこのプロセッサーは、前世代のRyzen 9 7900Xと比較し、特にマルチスレッド性能で大幅な向上を示している。
前モデルよりも30%以上低いTDPで20%近い性能向上を示す
今回のベンチマークテスト結果は、Wccftechが独占的に入手したCinebench R23のテスト結果とのことだ。テスト環境は、市販バージョンのRyzen 9 9900XをAGESA 1.2.0.0BIOSで使用した物とされている。
Ryzen 9 9900Xの主な仕様は以下の通りだ:
- コア数/スレッド数:12コア/24スレッド
- ベースクロック:4.4 GHz
- ブーストクロック:最大5.6 GHz
- キャッシュ:76 MB
- TDP:120W(Ryzen 9 7900Xの170Wから大幅減)
Cinebench R23ベンチマークでの測定結果は、まずはRyzen 9 9900XのデフォルトTDP120W TDP設定で約33,000ポイントを記録した。これは、170W TDPで動作するRyzen 9 7900Xの平均スコア29,000ポイントと比較して、約14%の性能向上を意味する。注目すべきは、この性能向上が50Wも低い消費電力で達成されている点だ。
さらに、このRyzen 9 7900XはPBO(Precision Boost Overdrive)が有効になっている上での結果である。同様の条件を再現するため、Ryzen 9 9900XにおいてPBOを有効にすると、スコアは約34,500ポイントまで上昇。これは、Ryzen 9 7900Xと比較して約20%の性能向上を示すものだ。最終的には、BIOSアップデートによってさらなる最適化が行われ、35,000点を超える可能性も示唆されている。
この性能向上と省電力化は、AMDの新しいZen 5アーキテクチャの優れた効率性を示している。また、ゲーミング性能についても大幅な向上が期待されており、今後さらなる詳細が明らかになる見込みだ。
Ryzen 9 9900Xは、IntelのCore i7-14700K(20コア)と競合することが予想されている。AMDの新製品は、マルチスレッド性能、電力効率、そしてゲーミング性能のバランスを大きく改善しており、大きな問題が起きなければ、現在市場を少しずつAMDに明け渡しているIntelから、更なるシェアを獲得することも出来るだろう。
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