Intelの次世代プロセッサが、これまでよりも高い温度で動作する可能性が出てきた。複数の情報筋によると、Arrow LakeとPanther Lakeと呼ばれる次世代CPUの最高動作温度(TJMax)が105℃にまで引き上げられる可能性があるという。これは現行のRaptor Lake世代の100℃から5℃の上昇となる。この変更は、Intelが新しいチップの耐熱性に自信を持っていることの表れとも言える一方で、ユーザーにとっては冷却面で新たな課題をもたらすことにもなりそうだ。
次世代CPUの熱設計と性能・劣化への影響
Intelの次世代プロセッサ、特にArrow LakeとPanther Lakeシリーズでは、最高動作温度(TJMax)が105℃に引き上げられる可能性がある。TJMaxとは、プロセッサが永久的な損傷を防ぐためにスロットリング(性能制限)を開始する温度のことを指す。この温度上限の引き上げは、プロセッサがより高い熱を許容できることを意味し、潜在的にはより高いクロック周波数での動作を可能にする。
一方、Lunar Lakeと呼ばれるシリーズは、現行の100℃を維持すると予想されている。これらの情報は、内部情報に精通しているとされる「Jaykihn」というリーカーによって明らかにされた。
Arrow Lake-Sシリーズの詳細も明らかになりつつある。最上位のCore Ultra 9モデルは、8つのパフォーマンスコア、16の効率コア、そして4つの超効率コアを搭載すると予想されている。Core Ultra 7モデルは12の効率コアを持ち、下位モデルでは超効率コアが省略される可能性がある。
電力設計に関しては、Kモデルが125W、非Kモデルが65W、Tモデルが35WのTDPを持つとされている。さらに、Arrow Lake-SのDC電源仕様は、第14世代Raptor Lake Refresh-Sと比較して、全体的に電圧が1.5Vから約1.7Vに増加するという。
この温度上限の引き上げは、ノートパソコンユーザーにとって特に重要な意味を持つ。Meteor Lake、Arrow Lake、Panther Lakeを搭載したノートPCは、高負荷時でも長時間にわたって最大性能を維持できる可能性がある。これは特に薄型マシンにとって有利だ。ただし、長時間100〜105℃で動作すると、ノートPCが不快なほど熱くなる可能性もある上、その他のパーツにも悪影響を与える可能性もありそうだ。
Intelは、Lunar Lakeを9月に、Arrow Lake-Sを10月に導入する計画だとされている。Panther LakeはLunar LakeとArrow Lakeの後継として2025年に登場する見込みだ。
これらの変更は、Intelが新しいシリコン技術の耐久性に自信を持っていることを示唆しているが、高温での長時間動作がチップの寿命に与える影響については、まだ不明な点が多い。現在も原因が突き止められていない第13世代及び第14世代Coreプロセッサのクラッシュや、それに伴う劣化の問題もあり、こうした高温動作の限界を試そうとするIntelの姿勢を疑問視する声も少なくない。
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