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CPU-Zの更新でIntel Arrow Lake-SとLunar Lakeのラインナップが明らかに

Y Kobayashi

2024年7月12日

Intelの次世代プロセッサ、Arrow LakeとLunar Lakeのラインナップは公式には明らかになっていないが、これに先駆けて人気のCPU診断ツール「CPU-Z」の最新アップデートで、Intelの未発表の新製品のサポートが追加され、いくつかのモデル名が明らかになっている。新たに追加された製品名にはArrow Lake-Sデスクトップ向けCPUとLunar Lakeモバイル向けCPUの両方が含まれており、一部従来と異なる命名規則に、ユーザーは少し悩まされることになりそうだ。

Intelの次世代プロセッサArrow LakeとLunar Lakeのラインナップが一部判明

CPU-Z バージョン2.10のパッチノートにより、IntelとAMDの新たなプロセッサが数多く追加されている。既にAMD製品についてはモデル名が明らかにされているので、ここで注目すべきはIntel製品だろう。今回、同社のArrow Lake-SデスクトップCPUとLunar LakeモバイルCPUの製品名が明らかになった。

Arrow Lake-S デスクトッププロセッサのラインナップ

Arrow Lake-Sのラインナップには、発売時に少なくとも13のSKUが含まれると噂されているが、今回CPU-Zで明らかになったArrow Lake-Sラインナップには、以下の6モデルが含まれている:

  • Core Ultra 9 285K
  • Core Ultra 9 275
  • Core Ultra 7 265K
  • Core Ultra 7 255
  • Core Ultra 5 245K
  • Core Ultra 5 240

これらのモデルは、Intelの新しい「Core Ultra」命名規則を採用している。「K」の接尾辞は、オーバークロック可能なアンロック版であることを示しているのは従来の命名規則と変わらない。

Arrow Lake-Sの最上位モデルであるCore Ultra 9 285Kは、24コア構成(8パフォーマンスコア + 16効率コア)で、最大5.5GHzのブースト周波数、36MBのL3キャッシュ、125WのTDPを持つと予想されている。

プロセッサ名称アーキテクチャ (P/E)コア数/スレッド数クロック周波数キャッシュ (L3)TDP
Core Ultra 9 285KLion Cove / Skymont24/245.5 GHz (Max?)36 MB125W?
Core Ultra 7 265KLion Cove / Skymont20/20不明33 MB125W?
Core Ultra 5 245KLion Cove / Skymont14/14不明24 MB125W?
Core Ultra 9 275Lion Cove / Skymont不明不明不明65W?
Core Ultra 7 255Lion Cove / Skymont不明不明不明65W?
Core Ultra 5 240Lion Cove / Skymont不明不明不明65W?

Lunar Lake モバイルプロセッサのラインナップ

Intelは間もなく登場すると言われているLunar Lakeアーキテクチャについての詳細は明らかにしているが、ラインナップやプロセッサの具体的な仕様についてはまだ伏せている状態だ。今回CPU-Zによってそのラインナップが明らかになり、登場製品の具体的なイメージが湧きやすくなっている。

Lunar Lakeラインナップには以下の8モデルが含まれている:

  • Core Ultra 9 288V
  • Core Ultra 7 268V
  • Core Ultra 7 266V
  • Core Ultra 7 258V
  • Core Ultra 7 256V
  • Core Ultra 5 236V
  • Core Ultra 5 228V
  • Core Ultra 5 226V

Lunar Lakeモデルは、デスクトップ向けArrow Lakeと同じ「Core Ultra 200」のブランドを冠するようだが、「V」接尾辞を採用しており、これによってArrow Lakeと区別しているようだ。Lunar Lakeの最上位モデルであるCore Ultra 9 288Vは、8コア構成(4パフォーマンスコア + 4効率コア)で、最大5.1GHzのブースト周波数を持つと噂されている。

プロセッサ名称コア数 / スレッド数キャッシュ (LLC)Pコア / Eコア ブーストGPU (最大 クロック)PL1 & PL2 (PBP/MTP)メモリ構成NPU / XMX (GPU) TOPS
Core Ultra 9 288V8/812 MB5.1 / 3.7 GHzArc 140V @ 2.05 GHz30W/30W32 GB (2R) LPDDR5X48/67
Core Ultra 7 268V8/812 MB5.0 / 3.7 GHzArc 140V @ 2.00 GHz17W/30W32 GB (2R) LPDDR5X48/66
Core Ultra 7 266V8/812 MB5.0 / 3.7 GHzArc 140V @ 2.00 GHz17W/30W16 GB (1R) LPDDR5X48/66
Core Ultra 7 258V8/812 MB4.8 / 3.7 GHzArc 140V @ 1.95 GHz17W/30W32 GB (2R) LPDDR5X47/64
Core Ultra 7 256V8/812 MB4.8 / 3.7 GHzArc 140V @ 1.95 GHz17W/30W16 GB (1R) LPDDR5X47/64
Core Ultra 5 238V8/88 MB4.7 / 3.5 GHzArc 130V @ 1.85 GHz17W/30W32 GB (2R) LPDDR5X40/53
Core Ultra 5 236V8/88 MB4.7 / 3.5 GHzArc 130V @ 1.85 GHz17W/30W16 GB (1R) LPDDR5X40/53
Core Ultra 5 228V8/88 MB4.5 / 3.5 GHzArc 130V @ 1.85 GHz17W/30W32 GB (2R) LPDDR5X40/53
Core Ultra 5 226V8/88 MB4.5 / 3.5 GHzArc 130V @ 1.85 GHz17W/30W16 GB (1R) LPDDR5X40/53

Arrow Lake-SはIntel 20Aプロセスで製造され、RibbonFETトランジスタとPowerViaと呼ばれるバックサイドパワーデリバリーを採用すると以前は発表されていたが、Lunar Lakeも当初の計画を変更しTSMCの3nmプロセスでコンピュートタイルを製造することになっており、Arrow Lakeも同様に計画の変更が行われる可能性も予想される

Arrow Lake-Sは2024年10月、Lunar Lakeは2024年9月にそれぞれ発売される見込みだが、Intelはまだ具体的な発売日を告知していない。計画通りにことが進めば、2024年のホリデーシーズンには、Intelの最新チップを搭載したPCが店頭に並ぶことになる。

両プロセッサファミリーは、性能向上と電力効率の改善を目指している。特にLunar Lakeは、Meteor Lakeと比較してEコアで最大68%、Pコアで14%のIPC向上を実現するとされており、薄型軽量ノートPC市場でQualcommのSnapdragon Xシリーズプロセッサに対抗することを目指している。


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