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Lunar LakeのフラッグシップCore Ultra 9 288VがGeekbenchに登場、Ryzen AI 300を上回るシングルコア性能を示す

Y Kobayashi

2024年7月30日

Intel最新のLunar Lake CPUである Core Ultra 9 288V のベンチマークテスト結果がリークされた。Geekbenchで公開されたこの結果は、低消費電力設計ながら高いシングルコアパフォーマンスを示しており、競合他社の製品を上回る可能性を示唆する興味深い結果となっている。この新しいプロセッサは、IntelのLunar Lakeシリーズの中で最も高性能なモデルとなる見込みだ。

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軽量ノートPC向けとしては印象的な高性能を示す

Core Ultra 9 288Vは、Intelの次世代Lunar Lakeラインナップの最上位モデルとして位置付けられている。仕様について見てみると、以下の通りとなっている:

  • コア構成4つのPコア(Lion Cove)4つのLPEコア(Skymont)を搭載し、合計8コア8スレッドとなっている。
  • クロック周波数:基本クロックは3.3GHz、Pコアのブーストクロックは最大5.1GHz、Eコアは最大3.7GHzまで上昇する。
  • 消費電力:PL1(Power Level 1)が30Wに設定されており、同シリーズの他のモデル(17W)よりも高い電力を消費する。これにより、より高いパフォーマンスを発揮できると考えられる。
  • キャッシュ:12MBのキャッシュを搭載している。
  • グラフィックス:Arc 140V GPUを内蔵し、2.05GHzで動作する。このGPUは新しいBattlemage アーキテクチャに基づいている。
  • メモリ:32GB(デュアルランク)のオンパッケージLPDDR5xメモリを搭載し、8533 MT/sで動作する。
  • AI性能:NPUは48TOPSの性能を提供し、GPUと組み合わせて115TOPS、CPUからの5TOPSを加えると合計で120TOPSのAI処理性能を実現する。

Geekbenchで公開されたベンチマーク結果によると、Core Ultra 9 288Vはシングルコアテストで最高2901ポイント、マルチコアテストで最高11,048ポイントを記録した。この結果は、同じ30W TDP帯のAMD Ryzen AI 9 HX 370 APUを上回っており、特にシングルコア性能では2.4%から5%の差をつけている。

マルチコアテストでは、Core Ultra 9 288Vは45W以上の設定のRyzen 9 7940HやRyzen 9 8945HSと比較しても遜色ない性能を示している。Lunar Lakeは8コアと言うことで、10コアや12コアを搭載するRyzen AI 300シリーズにはマルチコアスコアで及ばないものの、まだテスト段階の物と見られるため、最終的な製品版では約12,000ポイント程度のスコアが期待できるとされている。

これらの結果は、薄型軽量ノートPC市場向けに設計されたプロセッサとしては非常に興味深い性能と言えるだろう。特に、低消費電力ながら高いシングルコア性能を実現していることが注目される。

ただし、これらのベンチマーク結果はプレリリース版のものであるため、最終製品では性能が変わる可能性がある。また、Intelは現在Raptor Lakeシリーズで安定性の問題に直面しており、消費者の信頼を維持できるかどうかが今後の課題となるだろう。

Lunar Lakeシリーズは2024年9月に発売される予定で、薄型軽量ノートPC市場を主なターゲットとしている。新しいLion Cove Pコア、Skymont LP-Eコア、Xe2 GPUコアなど、多くの新技術を搭載しており、Intelの「Copilot+」PCの幕開けを告げる製品となる。グラフィックス性能やAI処理能力の比較も含め、最終製品の実際の性能が非常に注目される。


Sources

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