AMDが新たなモバイル向けAPUシリーズ「Bald Eagle Point」の開発を進めているという噂が浮上した。この新シリーズは、既存のStrix Pointプロセッサの軽微なリフレッシュ版となる可能性があるが、実際の発売は不透明な状況だ。
モバイルAPUにInfinity Cacheを初めて導入の可能性
AMDの「Bald Eagle Point」APUは、2025年に登場予定の「Ryzen AI」シリーズの一部として開発が進められているという。このプロセッサは、Zen 5/cアーキテクチャとRDNA 3.5ベースのグラフィックスを採用し、基本的な構成はStrix Point APUと同様のモノリシックデザインを踏襲する見込みだ。
しかし、Bald Eagle Pointの最大の特徴は、16MBのSLC(System Level Cache)を搭載する点にある。これは、モバイルAPUにInfinity Cacheを導入する初めての試みとなる可能性がある。このキャッシュメモリの改善により、性能向上が期待される。
一方で、Bald Eagle Pointの発売は、AMDの次世代アーキテクチャ「Zen 6」とRDNA 5グラフィックスを採用する「Medusa」の開発進捗に大きく依存している。Medusaの開発が順調に進めば、Bald Eagle Pointは完全にキャンセルされる可能性もあるという。
業界関係者の情報によると、AMDはBald Eagle Pointを「StrixとMedusaの間を埋めるプロセッサ」として位置づけているようだ。しかし、Strix HaloシリーズがRDNA 3.5アーキテクチャを採用し、最大40コンピュートユニットを搭載する強力な統合グラフィックスを実現する見込みであることを考慮すると、AMDが直接Strix Haloへの移行を選択する可能性も高い。
Bald Eagle Pointの開発は、AMDが市場の動向や技術の進展に柔軟に対応するための「保険」的な位置づけであると考えられる。しかし、その実際の発売については、今後のMedusaやStrix Haloの開発状況を注視する必要がありそうだ。
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