ChatGPTで有名なAIスタートアップOpenAIが、1000億ドル(約15兆円)を超える企業価値での資金調達に向けて交渉を進めていることが明らかになった。この資金調達が実現すれば、OpenAIはAI企業として過去最高の評価額を記録することになる。
OpenAIの資金調達と新たなプロジェクト
Wall Street Journal報道によると、今回の資金調達ラウンドではThrive Capitalが主導し、10億ドル(約1500億円)を投資する見込みだ。また、WSJは、OpenAIの最大の支援者であるMicrosoftも参加すると伝えている。
この資金調達は、OpenAIにとって2023年1月にMicrosoftから約100億ドル(約1.5兆円)の投資を受けて以来、最大規模の外部資金調達となる見込みだ。OpenAIのSarah Friar最高財務責任者(CFO)は社内メモで資金調達の取り組みを確認し、今年後半に従業員向けの株式売却機会(テンダーオファー)を計画していると述べた。
OpenAIの企業価値は、2月のテンダーオファーで800億ドル(約12兆円)と評価されていた。わずか数ヶ月で1000億ドルを超える評価額への上昇は、投資家がOpenAIの成長性に大きな期待を寄せていることを示している。実際、収益面でも、OpenAIは目覚ましい成長を遂げている。The Informationによると、同社の年間経常収益は今年初めに20億ドルを突破したとされる。しかし、同時に大規模な支出も行っており、年末までに約50億ドルの損失を出す見込みだという。
Friar CFOによると、今回の資金調達の一部は追加のコンピューティング能力の購入に充てられる予定だ。3月には、OpenAIとMicrosoftが数百万のプロセッサを搭載したAIスーパーコンピューターの構築に向けて協力していると報じられた。このプロジェクトは「Stargate」というコードネームで呼ばれており、早くても2028年の稼働開始を目指しているという。
さらに、この新たな資金調達は、OpenAIが長らく噂されているGPT-4の後継モデル「GPT-5」の開発を加速させる可能性がある。OpenAIは最近、このモデルのトレーニングを開始したことを明らかにしている。
さらに、OpenAIは最近、独自の検索エンジン「SearchGPT」のプロトタイプをテストしていることを発表した。
また、OpenAIは最近、自社開発の検索エンジン「SearchGPT」のテストを開始した。これは、ユーザーの質問に自然言語で回答する機能を持つ。Sam Altman CEOは「今日の検索をはるかに改善する余地があると考えている」とコメントしており、この新しい資金を活用して検索市場への参入を加速させる可能性もある。
OpenAIの急速な成長と大規模な資金調達は、AI業界の激しい競争と巨大な潜在市場を反映している。今後、OpenAIがこの資金をどのように活用し、AI技術の革新と事業拡大を進めていくのか、業界の注目が集まっている。
Sources
コメント