Intelの次世代デスクトップCPU、Core Ultra 200シリーズ(開発コードネーム:Arrow Lake)の価格情報が、海外の小売業者サイトで確認された。この情報は、XユーザーのCharlie氏によって共有されたもので、欧州の小売業者LambdaTekのWebサイトに掲載されていたという。
Arrow Lakeシリーズの発売は10月に予定されているとされており、この価格情報の流出は、小売業者が在庫管理システムの準備を進めている段階で起きたものと推測される。ただし、これらの価格は公式なものではなく、暫定的なものである可能性も指摘されている点に注意が必要だ。
Intel Arrow Lake CPUの価格情報流出
LambdaTekのWebサイトに掲載された主要モデルの価格は以下の通りである(VAT除外、1ポンド=187円で換算):
- Core Ultra 9 285K: £471.83(約88,000円)
- Core Ultra 7 265K: £327.35(約61,000円)
- Core Ultra 7 265KF: £314.60(約58,800円)
- Core Ultra 5 245K: £250.86(約46,800円)
- Core Ultra 5 245KF: £238.11(約44,500円)
繰り返すが、これらの価格情報は、あくまでも暫定的な物で、正式な発表前の物であることを念頭にご覧頂きたい。
今回、デスクトップPC向けArrow Lake-SのハイエンドモデルであるCore Ultra 9 285Kの価格設定は、市場での位置づけを考える上で重要な指標となりそうだ。また、KFシリーズは統合GPUを搭載しないモデルであり、通常のKシリーズよりも若干安価に設定されている点も興味深い。
上記の価格は消費税分を含まない物であり、日本での価格は単純な為替レートだけでは計算できない。そのため、実際にこれが英国の現地価格でどの程度差があるのかを見てみると、Arrow Lake CPUの価格を前世代のRaptor Lake Refreshと比較すると、全体的に値下がりしているようだ。最も大きな値下がり率となったのは、Core Ultra 5 245Kであり、メインストリーム向けの製品で競争力のある価格設定を行っているようだ。
全モデルとのVATを含む英国での価格推移は以下の通りだ:
- Core i9-14900K → Core Ultra 9 285K:£578.99 → £566.20 (約2.3%値下がり)
- Core i7-14700K → Core Ultra 7 265K:£409.99 → £392.82 (約4.2%値下がり)
- Core i7-14700KF → Core Ultra 7 265KF:£398.99 → £377.52 (約5.4%値下がり)
- Core i5-14600K → Core Ultra 5 245K:£319.99 → £301.03 (約6.0%値下がり)
- Core i5-14600KF → Core Ultra 5 245KF:£299.99 → £285.73 (約4.8%値下がり)
市場競争力の観点からは、AMDのRyzen 9000シリーズとの比較が重要になる。AMDの最新プロセッサーはすでに数ヶ月前から市場に出回っているため、Intelの新製品がどのような性能と価格バランスを示すかが注目される。特に、ハイエンド市場でのCore Ultra 9 285KとAMDの対抗製品との競争が、消費者にとって興味深い展開となりそうだ。
Arrow LakeシリーズのCPUは10月10日に発売される予定とされており、正確な小売価格はその時点まで明らかにならない。しかし、今回流出した価格情報が正確であれば、IntelはAMDとの競争において、性能と価格のバランスを慎重に検討した上で製品を投入することになりそうだ。
日本での価格は為替レートだけで見れば、一時は1ポンド210円近くにまで上がったところが、現在は2023年10月頃と同水準にまで落ち着いてきており、Raptor Lake Refreshの発売時期の為替レートと同程度にまで下がってきている。ドル円も同様に円高傾向に傾いてきていることもあり、Arrow Lake-SことCore Ultra 200シリーズの発売価格はRaptor Lake Refreshと同程度か若干の値下げも予想される。
最終的には、実際の性能テストと正式な価格発表を待つ必要があるが、この価格情報はPC自作派やテクノロジー愛好家にとって、次期CPUの購入を検討する上で重要な指標となるだろう。Intelが新世代CPUでどのような戦略を取るのか、市場の反応と共に注目される。
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