Appleが2024年9月10日、最新のスマートフォン「iPhone 16」および「iPhone 16 Plus」を発表した。新モデルは、垂直配置のカメラシステムと新たに追加された専用ボタンが特徴となっている。両モデルとも、9月13日から予約受付を開始し、9月20日に発売される予定だ。
iPhone 16シリーズではいくつかの新機能とデザインの刷新が図られている
iPhone 16及びiPhone 16 Plusのディスプレイサイズは前モデルと変更はなく、それぞれ6.1インチ及び6.7インチを採用している。
ディスプレイ性能自体は向上しており、最小輝度1ニットから最大輝度2,000ニットまでの広範囲な明るさ調整が可能になった。これにより、暗い環境での使用時の目の負担を軽減しつつ、屋外の明るい日差しの下でも鮮明な画面表示を実現している。
デザイン面では、航空宇宙グレードのアルミニウムを使用したボディに、ウルトラマリン、ティール、ピンク、ホワイト、ブラックの5色展開が用意されている。また、耐久性も向上しており、IP68規格の防水・防塵性能を備えている。新しく採用されたガラスセラミックスクリーンは、前モデルより50%強く、Appleは「他のスマートフォンの2倍の強度」を誇ると主張している。
今回のiPhone 16シリーズで最も目を引く変更点は、リアカメラの配置だ。これまでの対角線配置から垂直配置へと変更された。この新しい配置は、Apple Vision Proヘッドセットで視聴可能な空間写真や空間ビデオの撮影をサポートするための再設計に基づく物だ。
また、iPhone 16シリーズには2つの新しい専用ボタンが追加された。1つは「アクションボタン」で、これは昨年のProモデルで好評を博した機能だ。ユーザーはこのボタンをカスタマイズして、フラッシュライトの起動、ボイスメモの録音、カメラモードの切り替え、ショートカットの実行など、様々な機能を割り当てることができる。さらに、iOS 18からはコントロールセンターの設定を調整することも可能になる予定だ。
もう1つは「カメラコントロールボタン」と呼ばれる、今世代からProモデルと共に搭載されることになる新機能だ。電源ボタンの下に配置されたこの専用ボタンを使用することで、ディスプレイをタップしたり音量ボタンを使用したりすることなく、写真やビデオを撮影できる。軽く押すとカメラアプリが起動し、完全に押し込むと写真が撮影される。また、指をスライドさせることでズーム調整も可能だ。この新しいカメラコントロールボタンは、プロフェッショナルカメラのシャッターボタンに似た操作感を提供し、iPhone写真愛好家にとって画期的な機能となる可能性がある。
iPhone 16シリーズの心臓部には、新しい3nmプロセスで製造された「A18」チップが搭載されている。このチップは、6つのパフォーマンスコアと4つの効率コアを備えており、iPhone 15と比較してCPUが30%高速化され、GPUは40%高速化されている。同時に、電力効率も大幅に向上しており、CPUは30%、GPUは35%の省電力化を実現している。この性能向上により、より複雑なタスクやアプリケーションの高速処理が可能になり、ユーザーエクスペリエンスの向上につながる。
また、ゲーミング性能も向上しており、ハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシングをサポートし、これまでiPhone 15 Proでしか動作しなかった『Assassin’s Creed Mirage』や『バイオハザード』シリーズなどのAAAゲームタイトルもプレイ可能になった。
カメラシステムも大幅に強化されている。iPhone 16は48MPのメインカメラと新しいオートフォーカス機能付きの12MP超広角カメラを組み合わせた「フュージョンカメラ」を採用している。これにより、4つの焦点距離を持つレンズ相当の機能を実現し、2倍光学ズームやマクロモードなど、これまでProモデルのみに搭載されていた機能が利用可能になった。超広角カメラの絞りも、f/2.4からf/2.2に改善され、低光量環境での撮影性能が向上している。また、4K/60fpsのDolby Vision対応ビデオ撮影も可能となり、より高品質な動画コンテンツの制作が可能になった。
また、標準モデルでもApple Intelligenceと呼ばれる新しいAI機能が、10月のアップデート後にベータ版として利用可能になる予定だ。この機能には、カスタム絵文字の作成やテキストや電子メールの要約など、WWDCで紹介された機能が含まれる。さらに、「Visual Intelligence」と呼ばれる新機能も追加され、カメラが捉えた画像に基づいて情報を検索することができるようになる。例えば、新しいレストランにカメラを向けると、メニューや営業時間などの詳細情報を即座に取得できる。これらの機能は、A18チップに搭載された機械学習用の強化されたニューラルエンジンにより支えられており、従来の2倍の速度で処理を行うことができるとのことだ。
バッテリー性能も向上しており、Appleは新しい熱設計と組み合わせることで、より長時間の使用が可能になったとしている。具体的には、ローカルビデオ再生で最大22時間、ストリーミングビデオで18時間、オーディオ再生で80時間の使用が可能だという。新しい熱設計には、100%リサイクルアルミニウムを使用したサーマルシステムが採用されており、これにより過熱を抑制し、温度調整を改善している。この結果、ゲームプレイ時のパフォーマンスが30%向上し、持続的な高負荷作業でもより安定した性能を発揮できるようになった。
その他の新機能として、Wi-Fi 7への対応が挙げられる。これにより、互換性のあるルーターを使用した場合、より高速で安定したワイヤレス接続が可能になる。また、アメリカとカナダでは衛星経由のメッセージング機能が追加され、セルラー圏外でも緊急時の通信が可能になる。さらに、18カ国で緊急SOS機能と「探す」機能が衛星経由で利用可能になる。
iPhone 16の価格は124,800円から。一方、6.7インチディスプレイのiPhone 16 Plusは139,800円からとなっている。両モデルともに、128GB、256GB、512GBの3つのストレージオプションが用意され、9月13日から予約受付を開始し、9月20日に発売される予定だ。Apple Storeでは9月13日の予約開始の際にスムーズな購入が出来る様に事前に構成を保存しておく機能が提供されている。予約開始当初はアクセスが殺到するため、事前に決済確定前までの作業を終了しておけばスムーズに申込みが出来るだろう。
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