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AppleがA18/A18 Proプロセッサを発表:40%高速化したGPUと新AI機能搭載

Y Kobayashi

2024年9月10日

Appleは2024年9月10日、次世代iPhoneに搭載される新型プロセッサA18およびA18 Proを発表した。これらのチップはTSMCの第2世代3nmプロセス(N3E)で製造され、大幅な性能向上とApple Intelligence機能の実現を可能にするものだ。前モデルからも大きく性能がアップしたというこのプロセッサについてまとめてみた。なお、ベンチマークテストの結果などは公表されていないため、本稿ではAppleの発表に基づく相対的な性能比較を解説していく。

A18 ProA18A17 ProA16 Bionic
プロセスノード第2世代3nm(TSMC N3E?)第2世代3nm(TSMC N3E?)第1世代3nm(TSMC N3B)4nm(TSMC N4)
トランジスタ数不明不明190億個160億個
CPUコア
6 (高性能コア2基、高効率コア4基)

6 (高性能コア2基、高効率コア4基)

6 (高性能コア2基、高効率コア4基)

6 (高性能コア2基、高効率コア4基)
GPUコア6565
ニューラル・コア16161616
ニューラル・エンジン処理性能35TOPS35TOPS35TOPS17TOPS
搭載デバイスiPhone 16 Pro / iPhone 16 Pro MaxiPhone 16 / iPhone 16 PlusiPhone 15 Pro / iPhone 15 Pro MaxiPhone 15 / iPhone 15 Plus/ iPhone 14 Pro / iPhone 14 Pro Max
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A18チップ:非Proモデルも大幅パワーアップ

A18チップは、iPhone 16およびiPhone 16 Plusに搭載される。前モデルのiPhone 15モデルに搭載されたA16 Bionicで採用された4nmプロセス(5nmプロセスのハーフノード)から世代が進み、TSMCの第2世代3nmプロセスで製造されるとのことだ。

A18チップの特徴は以下の通りだ:

  • 6コアCPU(2つの高性能コア + 4つの高効率コア)
  • 5コアGPU(A16 Bionicから40%高速化)
  • 16コアNeural Engine(機械学習処理が2倍高速)
  • 17%のメモリ帯域幅向上

このチップの構成についてだが、A18は2つの高性能コアと4つの高効率コアを組み合わせた6コアCPU、5コアGPU、そして16コアNeural Engineを搭載している。

性能面では、A18チップはiPhone 15に搭載されていたA16 Bionicと比較して、CPUが30%高速化、GPUに至っては40%の性能向上を達成している。特筆すべきは、この大幅な性能向上にもかかわらず、GPUの消費電力は35%削減されていることだ。

さらに、A18チップはハードウェアベースのレイトレーシングをサポートし、ゲーミング性能の大幅な向上が見られるという。これにより、以前はiPhone 15 ProのA17 Proチップが必要だったような高度なゲームタイトルも、標準モデルのiPhone 16で楽しめるようになる。

また、A18チップはApple Intelligenceと呼ばれる新しいAI機能をサポートする。この機能は、オブジェクトや場所の認識、コンサートポスターからカレンダーへの自動追加、ChatGPTへの写真送信など、幅広い用途に対応する。これまでは、A17 Proを搭載したiPhone 15 Proモデルでしかサポートしなかった高度なAI機能だが、これが標準モデルでも可能になっているのだ。公式の発表ではないが、Apple Intelligenceが可能になっていることから、iPhone 16モデルは8GBのRAMを搭載すると推測される。こうした変更からも、AppleがAIに賭けていることが垣間見えるだろう。

A18 Proチップ:プロ向け機能の強化

A18 ProチップはiPhone 16 ProおよびiPhone 16 Pro Maxに搭載される。A18と同様にTSMCの第2世代3nmプロセスで製造されるが、より高度な機能を備えている。

A18 Proの主な特徴は以下の通りだ:

  • 6コアCPU(2つの高性能コア + 4つの高効率コア)
  • 6コアGPU(A17 Proから20%高速化)
  • 16コアNeural Engine(毎秒35兆回の演算が可能)
  • 17%のメモリ帯域幅向上

チップ構成は、A18 Proは2つの高性能コアと4つの高効率コアを組み合わせた6コアCPU、6コアGPU、そして16コアNeural Engineを搭載している。

A18 ProはA17 Proと比較して、CPUが15%高速化しているとのことだ。また、同じ性能を20%少ない消費電力で実現できるようになっているという。

また、A18 ProとA18の主な違いも挙げておこう:

  • GPUコア数:A18 Proは6コア、A18は5コア
  • プロ向け機能:A18 ProはProRes動画エンコーディングをサポート
  • USB 3.0速度:A18 Proはより高速なUSB 3.0をサポート
  • 画像処理:A18 Proは新しい画像信号プロセッサを搭載

A18 ProのGPUはA18と同じアーキテクチャを採用しているが、GPUコアが5つから6つになり、A17 ProのGPUよりも20%高速になっている。

その他、I/Oとメディアエンコーディングおよびデコーディングハードウェアにも違いがあり、 A18 ProはProResビデオエンコーディングをサポートし、A18にはない新しいイメージシグナルプロセッサーを搭載し、A17 Proよりも「高速なUSB 3スピード」をサポートしている。 iPhoneを使ってプロ級のビデオを撮影する人にとって、これらはA18より小さいが歓迎すべき改善点であり、より良いビデオを撮影するのに役立ち、編集時にビデオをコンピュータにオフロードするのがより簡単になるだろう。

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