AMDが次世代Ryzen 9000シリーズCPUで、より細やかなパフォーマンス調整を可能にする新機能「Curve Shaper」を導入する予定であることが明らかになった。この革新的な機能は、既存の「Curve Optimizer」を拡張し、オーバークロッカーやエンスージアストに新たな可能性をもたらすと期待されている。
Curve Shaperがもたらす精密なCPU制御
Curve Optimizer は、3D V-Cache CPU でもサポートされている 2 つのオーバークロック機能の1つだ。
Curve Optimizerの主な機能は、CPU全体またはCPUの特定のコアのAVFSカーブを調整し、それらが融合された固定カーブをオーバーライドすることで、CPUのパフォーマンスを向上させることです。
AMD
Curve Shaperは、AMDの次世代Zen 5アーキテクチャを採用するRyzen 9000シリーズCPUに搭載される新機能であり、著名なソフトウェア開発者であるYuri “1usmus” Bubliyによって公開されたこの情報によると、Curve Shaperは現行のCurve Optimizerのアドオンであり、その機能を大幅に拡張するもので、AMDのPrecision Boost技術と連携して動作するという。
具体的には、Curve Shaperは以下のような特徴を持つとのことだ:
- CPUの温度と負荷の全範囲にわたって、電圧オフセットを細かく設定できる。
- 15のボルテージオフセットポイントを提供し、5つのグループに分類される。
- 各グループは最小周波数から最大周波数までの動作範囲をカバーし、さらに低・中・高温度の3つの状態に対応する。
この新機能により、ユーザーはCPUのアイドル時や低負荷時に不必要なクロック周波数ブーストを防ぎつつ、高負荷時のパフォーマンスは維持することが可能になる。重要な点として、この機能は高負荷時や高温時のCPUパフォーマンスには影響を与えないとのことだ。これは特にゲーミングや日常的な使用において、より効率的なCPU動作を実現する物だろう。
1usmusによれば、Curve Shaperは直接AMD Ryzen Masterソフトウェアに統合される予定であり、そのためユーザーはサードパーティのツールをダウンロードする必要がなくなるという。さらに、Ryzen 9000シリーズの発売に合わせて、1usmusの開発するHYDRAツールもバージョン1.7にアップデートされ、自動GPUオーバークロックやAMDプラットフォームでのDDR5メモリオーバークロックのサポートが追加される予定とのことだ。
Curve Shaperは、AMDのエンスージアスト市場でのポジションをさらに強化することが予想される。ただし、この新機能はRyzen CPUのオーバークロッキングの複雑さを大幅に増加させる。ユーザーは1つの電圧オフセットではなく、少なくとも15の異なる電圧オフセットをストレステストする必要があるからだ。こうした細かな微調整によって、安定性を損なうことなく、チップから最大限のパフォーマンスを引き出すことが可能になる。
現時点では、Curve Shaperが具体的にどのAMD CPUモデルをサポートするかは明らかになっていない。しかし、業界専門家の間では、少なくともRyzen 9000シリーズで発売日からのサポートが期待されている。また、AMDが既存のRyzen 7000シリーズなど、既存のCPUに対してもこの機能を提供することへの期待の声も出てくることだろう。
Curve Shaperの導入により、AMDは高性能CPUの分野でさらなる競争力を獲得し、ユーザーに対してより細やかなパフォーマンス調整の選択肢を提供することになる。この新機能は、特にオーバークロッキング愛好家やハイエンドユーザーの間で注目を集めることが予想される。
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- aaa
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