AMDの次世代3D V-Cache搭載CPU、Ryzen 9000X3Dシリーズの性能を垣間見ることのできる興味深いリークが浮上した。Cinebench R23ベンチマークテストの結果によると、新シリーズは前世代のRyzen 7000X3Dモデルと比較して、最大28%もの性能向上を達成している可能性があるという。この情報は、AMDの公式発表前のリークであるため、慎重に扱う必要があるが、ユーザーにとって大きな期待を抱かせる物だ。
リークされたRyzen 9000X3Dの驚異的なCinebench R23スコア
リークによると、Ryzen 9000X3Dシリーズの中でも特に注目を集めているのが、Ryzen 7 9800X3DとRyzen 9 9950X3Dの2モデルだ。これらのCPUは、AMDの最新のZen5アーキテクチャと3D V-Cache技術を組み合わせることで、前世代モデルを大きく上回る性能を実現しているという。
Ryzen 7 9800X3DのCinebench R23スコアは、マルチコアテストで23,315ポイント、シングルコアテストで2,145ポイントを記録。これは、前世代のRyzen 7 7800X3Dと比較して、マルチコアで約35.6%、シングルコアで約24.3%の大幅な性能向上を示している。
一方、フラッグシップモデルとなるRyzen 9 9950X3Dは、マルチコアテストで42,375ポイント、シングルコアテストで2,245ポイントを達成。こちらも、Ryzen 9 7950X3Dと比較すると、マルチコアで約18.4%、シングルコアで約11.7%の性能向上が見られる。
これらの数値は、AMDが新世代CPUで大幅な性能向上を実現していることを示唆している。特に、8コアモデルであるRyzen 7 9800X3Dの性能向上が顕著であり、ゲーマーにとって非常に魅力的な選択肢となる可能性が高い。
Cinebench R23 | シングルコア・スコア | マルチコア・スコア |
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Ryzen 9 9950X3D | 2245 | 42375 |
Ryzen 9 9950X | 2287 | 41311 |
Ryzen 9 7950X | 1949 | 37959 |
Ryzen 9 7950X3D | 2047 | 36234 |
Core i9-14900K | 2301 | 36078 |
Core i7-14700K | 2053 | 34889 |
Ryzen 7 9800X3D | 2145 | 23315 |
Ryzen 7 9700X | 2224 | 20282 |
Ryzen 7 7700X | 1997 | 19575 |
Ryzen 7 7800X3D | 1789 | 18201 |
Ryzen 5 9600X | 2185 | 16634 |
Zen5アーキテクチャと3D V-Cacheがもたらす革新
Ryzen 9000X3Dシリーズの大幅な性能向上の背景には、AMDの最新技術が存在する。Zen5アーキテクチャの採用により、CPUの基本性能が向上し、さらに3D V-Cache技術の進化によって、キャッシュメモリの効率が大幅に改善されたと考えられる。加えて、先端プロセスの採用により、発熱も抑えられクロック周波数も高く、オーバークロックも可能になっているようだ。
特筆すべきは、Ryzen 7 9800X3DがRyzen 7 9700X(非X3Dモデル)をマルチコアテストで上回っているという点だ。これは、X3Dモデルが単にゲーミング性能に特化しているだけでなく、全体的な処理能力においても優れていることを示唆している。
また、リーク情報によると、Ryzen 9000X3Dシリーズは8コア/16コアの構成を採用しているという。これは、AMDが異なるコア数の組み合わせを試験している可能性を示唆しており、最終的な製品ラインナップに注目が集まる。
現時点では、Ryzen 9000X3Dシリーズの発売日やTDP(熱設計電力)などの詳細は明らかになっていない。しかし、業界筋によると、8コアモデルが最初にリリースされ、12コアおよび16コアモデルは後日発表される予定だという。
Xenospectrum’s Take
AMDのRyzen 9000X3Dシリーズに関するこのリークは、待望のZen 5プロセッサが初期は失敗に終わったAMDに再び大きな追い風となる可能性を秘めたものだ。Cinebench R23ベンチマークでの驚異的な性能向上は、AMDがIntelとの競争において新たな優位性を獲得する可能性を示唆している。
特に注目すべきは、Ryzen 7 9800X3Dの性能だ。前世代比で35%以上のマルチコア性能向上は、1世代での性能向上としては破格の物だ。この性能向上が実際のアプリケーションやゲームでどのように反映されるかは、今後のベンチマークリークや実機テストで明らかになるだろう。
また、X3Dモデルが非X3Dモデルをマルチコア性能で上回っている点は、AMDの3D V-Cache技術の成熟を示している。これは、ゲーミング以外の用途でもX3Dモデルが魅力的な選択肢となる可能性を示唆しており、プロセッサ市場の動向に大きな影響を与えるかもしれない。
しかし、これらの性能向上がTDPやコストにどのような影響を与えるかも重要な論点となる。AMDが性能と効率のバランスをどのように取るか、そして価格設定をどうするかによって、市場での受け入れられ方が大きく変わってくるだろう。
最後に、このリーク情報の信頼性については慎重に評価する必要がある。過去に正確なリークを行った情報源からの情報ではあるが、最終的な製品スペックは変更される可能性がある。また、Cinebench R23が最新のCPUの性能を正確に反映しているかという点も考慮すべきだろう。
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