AMDのZen 5アーキテクチャを採用した次期Ryzen 9000(Granite Ridge)プロセッサのCPU-Z情報と最初のベンチマーク・スコアの一部が明らかとなった。
Zen 4から大きなシングルスレッド・スコアの向上
中国のオンラインフォーラムBaidu Tiebaに投稿されたスクリーンショット(via HXL)は、一部が意図的にモザイク処理が施されており、不明な部分も多いが「Granite Ridge」である事が確認出来る。これはまだ初期のエンジニアリング・サンプルだが、TDPは170WでミドルエンドからハイエンドのSKUである可能性が高く、OPN IDは100-000001290であり、これは以前発表された番号と一致する。
またリーカーによると、CPUの動作クロック周波数がRyzen 9 7950Xより100MHz速い最大5.8GHzになったことが報告されている。
このリーカーはまた、「非X3DチップはZen 4のX3Dを簡単に打ち負かす」とも述べているようだが、これを裏付けるようなベンチマークは示していない。
加えて、CCD-to-CCDとIOD通信を改善する、Infinity Fabricインターコネクトの改良も含まれ、IMC(メモリーコントローラー)がアップグレードされるという報告もリークされている。
CPU-Zのシングルスレッド・スコアは910ポイントと言う事で、Zen 4ベースのRyzen 9 7950Xの平均スコアが767ポイントであることを考えると18.6%の性能向上ということになる。これは以前からのリークと一致する物だ。ただし、CPU-Zのベンチマークはあくまで1つの指標であり、他のベンチマーク等と組み合わせて性能は比較すべきだが、参考として以下の比較を掲載しておこう。
プロセッサ | CPU-Z シングルスレッド・スコア |
---|---|
Core i9-14900K | 942 |
Ryzen 9000 @ 5.8 GHz | 910 |
Core i9-13900K | 902 |
Ryzen 9 7950X | 767 |
Ryzen 9 5950X | 647 |
Zen 5はZen 4チップから性能向上が見られるが、Intelの競合と比較すると、少なくともシングルスレッド・スコアに関してはCore i9-14900Kには追いつけていないようだ。ただし、確実にその差は縮めた。後はIntelの今年後半に登場すると見られるArrow Lakeプロセッサの性能次第だろうか。
AMDは、Zen 5アーキテクチャを採用したRyzen 9000(Granite Ridge)プロセッサを、16、12、8、6コアの4つのSKUで発売すると予想されている。さらに、IPCが10%近く向上し、特定のワークロードでは40%も性能が向上するという噂もある。また、いくつかのエンジニアリング・サンプルもリークされている。現時点では、AMDのZen 5コア・アーキテクチャについて明らかにされていることは以下の概要のみだ:
- パフォーマンスと効率の向上
- フロントエンドとワイドイシューのパイプライン化
- 統合されたAIと機械学習の最適化
新たな「Zen 5」AMD Ryzen 9000デスクトップCPUは、7月までに小売店頭に並ぶと噂されている。AMDのCEOであるLisa Su博士は、Computex 2024のオープニング基調講演を行い、その中でAMDの「次世代の高性能PC、データセンター、AIソリューション」の詳細を発表する予定だ。
CPU名 | アーキテクチャ | コア/スレッド | ベース/ブーストクロック | L3キャッシュ | グラフィックス(統合) | メモリーサポート | TDP |
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Ryzen 9 9950X | Zen 5 | 16/32 | 未定 | 64 MB | 2 x RDNA 2 CUs | 未定 | 170W? |
Ryzen 9 9900X | Zen 5 | 12/24 | 未定 | 64 MB | 2 x RDNA 2 CUs | 未定 | 170W? |
Ryzen 7 9700X | Zen 5 | 8/16 | 未定 | 32 MB | 2 x RDNA 2 CUs | 未定 | 105W? |
Ryzen 5 9600X | Zen 5 | 6/12 | 未定 | 32 MB | 2 x RDNA 2 CUs | 未定 | 105W? |
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