Googleは本日、Android 15の次期四半期プラットフォームリリース(QPR)となるQPR2 Beta 2(ビルド番号:BP11.241121.010)の配信を開始した。このアップデートには、重要なBluetoothの脆弱性修正と新機能の実装が含まれている。
主要な改善点と対象デバイス
今回のAndroid 15 QPR2 Beta 2は、幅広いPixelデバイスをサポート対象としている。具体的には、Pixel 6、Pixel 6 Pro、Pixel 6a から最新のPixel 9シリーズ(Pixel 9、Pixel 9 Pro、Pixel 9 Pro XL、Pixel 9 Pro Fold)まで対応している。また、折りたたみ式デバイスのPixel Foldと、タブレット製品のPixel Tabletもアップデート対象に含まれている。
ユーザー体験の向上に関する修正として、通話オプション選択時の長時間の遅延問題が解消された。この問題は多くのユーザーから報告されており(Issue #379266329, Issue #378854091)、日常的な通話機能の使用性を著しく低下させていた。また、医療機器との連携に関する重要な改善として、特定のグルコースセンサーデバイスとの接続障害も修正された。この修正により、健康管理アプリケーションの信頼性が向上することが期待される。
デバイス固有の問題として特に注目すべきは、Pixel Foldにおける展開時の応答停止問題の解決である。折りたたみ式デバイスの特性上、このような基本的な動作の安定性は製品の信頼性に直結する重要な要素であった。さらに、バッテリー寿命の最適化に関連して、充電設定における「80%制限」オプションの機能不全も修正された。この機能は、バッテリーの長期的な健康状態を維持したいユーザーにとって重要な選択肢となっている。
開発者向けの改善としては、「ANGLE preferences」オプションへのアクセス問題が解決された。これにより、開発者がグラフィックス関連の詳細な設定にアクセスしやすくなり、アプリケーション開発の効率が向上することが期待される。また、不適切なポインタ処理に起因する予期せぬクラッシュや再起動の問題も修正され、システムの安定性が向上している。
セキュリティ強化とユーザー体験の改善
Bluetooth関連の修正は特に重要で、以下の問題が解決された:
- ASHAからLE Audioへの切り替え時の音声一時停止の不具合
- デバイス再起動後のL2CAP接続失敗の問題
- ボンディングされたデバイスとの再接続時の暗号化されていないLE接続の脆弱性
- Bluetooth LE audioハードウェアオフロード無効時のHALクラッシュ
また、新機能として「Notification cooldown」が導入され、短時間に多数の通知を受信した場合、一時的にデバイスの音量を下げ、アラートを最小限に抑える機能が実装された。さらに、「Themed icons」機能がベータステータスから正式版となった。
Xenospectrum’s Take
このQPR2 Beta 2リリースは、特にBluetooth関連のセキュリティ強化に重点を置いている点が興味深い。LE Audio実装の成熟度が上がってきていることを示唆しているが、依然として基本的な接続の安定性に課題があることも浮き彫りになった。また、グルコースセンサーの接続問題の修正は、Googleがヘルスケア分野でのデバイス互換性を重視していることを示している。
「Notification cooldown」の実装は、デジタルウェルビーイング領域での継続的な改善を示す好例だが、これがユーザーの実際の使用パターンにどの程度フィットするかは、正式リリースまでの検証が必要だろう。
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