先日の、開発者向けベータ版2のリリースに続き、AppleがiOS 18.2の最初のパブリックベータ版をリリースした。今回のアップデートでは、Apple Intelligence(AI)機能が大幅に強化され、ChatGPTの統合が進められた事やAIを活用した画像生成機能が追加された事に加え、その他にも注目の新機能が多数導入されている。
Apple Intelligenceの機能強化
iOS 18.1で初めて登場したAppleの生成AI機能「Apple Intelligence」は、WWDCで発表された機能の多くをいまだ実装していない状況が続いている。今回のiOS 18.2ではそのいくつかの新たな機能のテストが開始された形だ。
ChatGPT統合
新たにChatGPT拡張機能がSiriに統合され、テキスト作成や質問応答、画像生成などの高度な機能が利用可能となった。アカウントにサインインすることで会話履歴の保存も可能である。注目すべき点として、ChatGPTの基本機能は無料で利用でき、アカウント登録も不要である。プレミアム会員向けには、より高度な機能へのアクセスも提供される。
Genmoji
AIを活用したカスタム絵文字生成アプリ「Genmoji」が導入された。ユーザーは自由に独自の絵文字をAIで生成することが可能となる。ただし、現時点ではウェイトリスト制となっており、アクセスまでに数日から数週間程度の待機が必要となる場合がある。
Image Playground
新しいスタンドアロンアプリとして、AIによる画像生成機能「Image Playground」が追加された。テキストプロンプトを入力することで、オリジナルの画像を生成することができる。こちらもウェイトリスト制での提供となっている。
Visual Intelligence
iPhone 16シリーズ向けの新機能として、カメラを通じて現実世界のオブジェクトや場所を検索・特定できる「Visual Intelligence」が導入された。カメラコントロールボタンを押すことで起動可能である。
その他のAI以外のアップデート
カメラコントロールの拡充
カメラコントロール機能に、新たにフォーカスと露出のロック機能が新たに実装された。最初に設定が必要であるが、その後はiPhone 16シリーズで導入されたカメラコントロールボタンを軽く押し続けることで、現在のフォーカスポイントと露出値を即座にロックできる。
メールアプリの刷新
- 受信トレイの新しいカテゴリ分類ツール
- 連絡先の写真を目立つ形で表示する新デザイン
「探す」機能の拡張
紛失アイテムの位置情報を、Apple製品を持っていない他のユーザーとも共有できるようになった。
これは、特定のAirTagや追跡デバイスの位置情報を示す公開リンクを一時的に生成することが可能になったことで実現しており、例えば航空会社のスタッフと協力して預け入れ荷物を探すような具体的なユースケースに対応できるようになった。
プライバシーへの配慮も充実しており、リンクを共有する際には所有者のメールアドレスと電話番号が適切に表示される。また、リンクへのアクセス状況を監視する機能も備わっており、誰がいつ位置情報を確認したのかを把握することができる。さらに、必要に応じて共有を即座に停止することも可能となっている。
システム設定の改善
- デフォルトアプリを設定するための新しい設定ハブを追加
- Face IDによる新規コンピュータの信頼設定が可能に
- 設定アプリのアイコンがダークテーマにも対応
提供時期と対応
パブリックベータへの参加は、Appleのベータソフトウェアプログラムを通じて無料で可能だ。iOS 18.2の正式版は12月にリリース予定で、BloombergのMark Gurman氏の予測では12月第1週での提供開始が見込まれている。
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