昨日発表されたAppleのiPad Proに初搭載される形で、まさか半年足らずで新チップが登場するとはと、驚きと共に迎えられたAppleの「M4」チップは、まだiPad Proが発売前ということで、あくまでも“リーク”であり、間違いである可能性もある物ではあるが、ベンチマークテスト「Geekbench」のいくつかのデータが明らかになっている。
明らかになったのは、搭載チップの機械学習(ML)性能を測る「MLスコア」と、CPUの「シングル・及びマルチコアスコア」となる。
M4のMLスコアは前モデル比では20%近い向上
Geekbench Browserに掲載された「iPad16,3」と呼ばれるデバイスは、iPad Proと明示されているわけではないが、以下の様に4+6コア構成となっている事からも、恐らくM4チップを搭載したiPad Proの上位モデル(1TBまたは2TBストレージモデル)物と考えられる。ただし、OSがiOS 18と言うところが気になるところだ。
M4チップ搭載iPad ProのMLスコアは9,234と言う事で、前モデルのM2 iPad Proが7,500程度だったことを考えると、20%以上の向上を果たしていることになる。
ちなみに、同じくファンレスのM3 MacBook Airは8,100程度のスコアなので、M4チップはM3チップ比でも14%程度のスコア向上が見られると言うことになる。
ただ、これを踏まえてAppleの昨日の発表会を振り返って見ると奇妙に思える点も出てくる。Appleは「M4は38TOPS」の性能を誇ると主張していたが、M3はFP16精度で18TOPSだった。今回のGeekbenchの結果を見るに、2倍以上の性能ではなさそうだ。Appleは明らかにしていないが、恐らくM4の38TOPSという主張はINT8精度での換算なのだろう(ライバルのSnapdragon X EliteもINT8精度で45TOPSを主張している)M3の精度もそれに則れば、M4は5%強の性能向上となり、上記のスコアも納得のいく物となりそうだ。
M4のCPUスコアは前モデル比で50%近い性能向上
MLスコアはそう考えるとAI時代を見据えたチップをいち早く投入したと見るには小幅な性能向上だったが、意外と印象的なのがCPUスコアだ。これもリーク結果であるため、ある程度は気をつけて見て欲しいが、これが正確であった場合、Macが早々にM4チップに置き換わってもおかしくなさそうだ。
前モデルのM2チップ版iPad Pro 12.9インチのスコアはシングルコア・スコアが2,500前後、マルチコア・スコアが9,600前後であったが、M4チップ版iPad Proは、シングルコア・スコアが3767、マルチコア・スコアが14677と、それと比較すると50%程度の大幅な性能向上が見られる。特にシングルコア・スコアの伸びは印象的だ。
M3チップ比でも、シングルコア・スコアで20%以上の性能向上が見られ、マルチコア・スコアに関しては25%以上の大幅な性能向上だ。マルチコア・スコアの大きな伸びは、CPUコアがM3では8コアだったものがM4では10コアに増えたこともあるだろう。
M3発表から半年でのM4登場ということで、M4はNPUの強化に注力した“M3の焼き直しでは”と見られる向きもあったが、確実にCPU性能も向上しているが確認出来る。だが、これは当然と言えば当然かも知れない。AI処理はNPUに多くの処理を担わせるところが大きいが、適材適所でCPU等にその処理を分担することもある。CPU性能が向上すればその分AI性能のアップが見込めるからだ。
そうなると最後に気になるところはGPU性能だ。これはコア数も変わらず、Appleも特に触れていないことから、M3のアーキテクチャをそのまま継承したのではとも考えられるが、果たしてどうなるだろうか。
Sources
- Geekbench Browser:
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