OpenAIのChatGPTは、週間アクティブユーザー数(WAU)が4億人を突破した。企業利用の拡大と、近日公開予定のGPT-5への期待が成長を牽引している。競合が激化する中、OpenAIはAI市場でのリーダーシップを維持できるだろうか。
ChatGPTのユーザーベースが爆発的に増加、わずか数ヶ月で倍増
OpenAIのChatGPTが、週間アクティブユーザー数(WAU)4億人を突破した。OpenAIのCOO(最高執行責任者)であるBrad Lightcap氏はX(旧Twitter)への投稿でこの驚異的な数字を公表し、「世界人口の5%に相当するユーザーに毎週サービスを提供できていることを大変光栄に思います」と述べた。
このユーザー数は、2024年8月に報告された数値の2倍、さらにその前の2023年11月時点の数値の4倍に相当し、ChatGPTの成長速度が加速していることを示している。競合プラットフォームDeepSeekの登場による競争激化の中でも、OpenAIは着実にユーザー基盤を拡大している様子が伺える。
企業導入が成長を牽引、有料ユーザーは200万人に
ChatGPTの企業向けプランも成長を続けており、有料エンタープライズユーザー数は200万人を突破した。こちらも2024年9月から約2倍に増加している。Lightcap氏によると、従業員が個人的にChatGPTを利用し、その有用性を実感したことが企業導入につながるケースが多いとのことだ。
OpenAIの開発者コミュニティも急増しており、トラフィックは過去6ヶ月で倍増した。この成長は、OpenAIの「推論」モデルo3の使用量が5倍に増加したことと一致する。また、近日中にリリース予定のGPT-4.5とGPT-5への期待も高まっており、これらはチャットとAPIの両方のクライアントで利用可能になる予定だ。特にGPT-5は、GPTシリーズとoシリーズの機能を統合した単一のモデルであり、無料ユーザーも利用できるようになる。
DeepSeekやxAIとの競争が激化するも、OpenAIは自信を維持
AI覇権を巡る戦いは激化
OpenAIの成長の陰で、AI分野の競争はかつてないほど激化している。Elon Musk氏率いるxAIや、DeepSeekなどの競合企業が、消費者向けおよび企業向けAI市場でのシェア拡大を目指し、高性能モデルを相次いで発表している。
Musk氏はOpenAIの共同創業者でありながら、同社が営利企業へ転換したことに批判的で、OpenAIの買収を提案する異例の動きも見せている。一方、OpenAIはMicrosoftからの巨額の出資とクラウドインフラのサポートを受け、企業向けAIのリーダーとしての地位を確立しようとしている。
そして、DeepSeekの台頭は、AI分野における競争の激化を象徴する出来事だろう。2025年1月にDeepSeek-R1が発表されると、AI市場の勢力図が塗り替えられるのではないかとの懸念から、テクノロジー株が大きく動揺した。しかし、Lightcap氏はDeepSeekの登場がOpenAIの戦略に影響を与えることはないと強調する。
OpenAIは、AIモデルの選択をユーザーに委ねる複雑さを解消するため、ChatGPTのインターフェースを簡素化する方針である。さらに、GPT-4.5およびGPT-5モデルをチャットとAPIAPIクライアント向けに提供する予定だ。特にGPT-5は無料ユーザーも利用可能になる予定であり、これによりChatGPTのユーザー層はさらに拡大する可能性がある。
GPT-5は、OpenAIのGPTシリーズとoシリーズのモデルを統合し、より強力な単一のシステムとして提供される見込みだ。これにより、OpenAIは汎用的な会話AIと専門的な推論ベースのアプリケーションの両方で競争優位性を確立しようとしている。
戦略的パートナーシップによりOpenAIのグローバル展開が拡大
OpenAIは、特に日本におけるSoftBankとの合弁会社であるSB OpenAI Japanを通じて、グローバルなプレゼンスを拡大している。SoftBankからの年間30億ドルの投資を伴うこのパートナーシップは、OpenAIの技術を日本の主要企業に統合することを目的としている。最初の展開は、SoftBankの半導体子会社Armやデジタル決済プラットフォームPayPayなど、SoftBankのエコシステム内で行われる予定である。
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