テクノロジー
ピースで自撮りするたびに指紋が漏れている可能性:AIと高解像度カメラが作り出した認証の盲点
SNSに投稿された写真から指紋が盗まれるリスクが現実化し、AI超解像技術により不鮮明な指紋も鮮明化され悪用される恐れがある。指紋は変更できない生涯の鍵であり、特定の標的への攻撃コストが低下しているため、一般ユーザーは写真撮影時の距離確保や指先をぼかす編集、指紋認証の登録先を絞るなどの対策が求められる。
Carl Stewartは、英国リバプール出身の薬物密売人である。彼は2021年、暗号化通信アプリEncroChatを使用してスティルトンチーズの写真を仲間に送信したが、その写真に彼自身の掌紋と指紋が鮮明に映り込んでいた。マージーサイド警察はこの画像を解析し、指紋データからStewartの身元を特定することに成功した。この事例は、顔が写っていない写真であっても、手に持った物体を撮影する際の指先の写り込みが決定的な証拠となり得ることを世界に示した。結果として、彼はコカインやヘロインの供給に関与した罪で13年6ヶ月の懲役刑を言い渡された。この事件は、法執行機関が生体情報解析技術を犯罪捜査に活用した象徴的な成功例として、サイバーセキュリティとプライバシーの議論で頻繁に引用される。