サイエンス
石油、ガソリン、軽油:化学エンジニアが原油が燃料に変わるまでを解説
米国・イスラエルによるイランへの攻撃が激化するにつれ、世界的な石油危機も深刻化している。 世界の石油・天然ガスの約20%が通過するホルムズ海峡の事実上の閉鎖と、中東の石油生産施設への攻撃により、石油価格は34%上昇した。 […]
別名: 石油, Crude oil
原油は、数百万年かけて動植物の遺骸が高温高圧の地質学的プロセスによって分解・液化された天然資源である。その組成は産地(バイオーム)や地質条件によって異なり、数万種類に及ぶ個別の化学物質が含まれている。そのままでは燃料や製品として使用できないため、化学工学に基づいた「分留」というプロセスが必要となる。具体的には、蒸留塔を用いて加熱し、密度の違いによって天然ガス、ガソリン、ケロシン(ジェット燃料)、ディーゼル燃料、さらには道路舗装材やプラスチックの原料となる重質成分へと分離される。現代社会において、エネルギー源としてだけでなく、衣料、医薬品、電子機器、化粧品など、6,000種類以上の日用品の基礎原料として不可欠な存在である。