サイエンス
「時間は一つではない」を証明へ。原子時計が捉える「時間の量子重ね合わせ」の仕組み
アインシュタインの相対性理論と量子力学が交差する「時間の量子重ね合わせ」現象を、最先端のイオントラップ型原子時計で観測可能にする理論的枠組みが構築された。原子の運動と時計の内部時間が量子もつれを起こすことで生じる「コヒーレンスの喪失」を、時間が量子的に振る舞うシグナルとして利用し、検出感度を劇的に向上させることで次世代量子ネットワークや重力センサーへの応用が期待される。
別名: vSODS, Vacuum-induced second-order Doppler shift
量子力学の不確定性原理に基づき、絶対零度においても物質が完全に静止せずに行う「ゼロ点振動」に起因する時間の遅れ。研究チームが命名した。従来の二次ドップラーシフトは熱運動などの古典的な速度によって生じるが、vSODSは真空の揺らぎという純粋に量子論的な速度の広がりによって生じる。このシフト量は極めて微小(相対的に約5×10のマイナス19乗)だが、現代の最高精度を誇る原子時計の測定限界付近で観測可能であるとされる。