サイエンス
極寒にも酷暑にも対応できる「全気候対応バッテリー」の開発に成功 :-50℃〜75℃に対応する革新的設計の秘密とは
スマートフォンのバッテリーが真夏の炎天下で熱を持ち、警告が表示される。あるいは、真冬のスキー場で、あっという間に電源が落ちてしまう。電気自動車(EV)のオーナーであれば、冬場の航続距離の減少は毎年繰り返される悩みの種だろ […]
別名: ACB, All-Climate Battery
全気候対応バッテリー(All-Climate Battery, ACB)は、リチウムイオン電池が抱える温度変化への脆弱性を克服するために開発された次世代のバッテリー設計である。従来のバッテリーが外部の温度管理システムに依存していたのに対し、ACBは「材料の最適化」と「自己発熱システム」を組み合わせたデュアル戦略を採用している。具体的には、高温耐性を高めるために電極や電解質の材料を熱的に安定したものへ見直し、低温時には内部に組み込まれた厚さわずか10ミクロンのニッケル箔に電流を流すことで、バッテリー自身を瞬時に加熱する。これにより、シベリアのような極寒地から砂漠のような酷暑地まで、地球上のほぼすべての環境で性能を維持できる。外部冷却装置の簡素化や不要化が可能になるため、電気自動車(EV)の航続距離向上や軽量化、データセンターの省電力化、さらには宇宙開発など幅広い分野への応用が期待されている。