サイエンス
量子コンピューターは暗号を破るか?だが、それより重要な「本当の用途」とは
量子コンピューターは既存技術を凌駕する計算能力を持ち、実用化には10年から20年を要する見通しだ。暗号解読の脅威が強調されがちだが、耐量子暗号の開発も進んでおり、今後は科学シミュレーションや医療等の幅広い分野での革新が期待されている。
マサチューセッツ工科大学の教授を務める計算機科学者。1994年に、量子コンピューターを用いることで、現在広く利用されている公開鍵暗号(RSA暗号など)の基盤となる大きな数の素因数分解を効率的に行える「ショアのアルゴリズム」を考案した。この発見は、量子コンピューターの実用化に向けた研究と投資を加速させる大きな契機となった。
量子コンピューターは既存技術を凌駕する計算能力を持ち、実用化には10年から20年を要する見通しだ。暗号解読の脅威が強調されがちだが、耐量子暗号の開発も進んでおり、今後は科学シミュレーションや医療等の幅広い分野での革新が期待されている。
量子コンピュータによる暗号解読の脅威に対し、AES-128の鍵長倍増は不要であると指摘されている。これは、グローバーのアルゴリズムが並列化に不向きで、量子コンピュータの物理的制約とエラー訂正コストを考慮すると、AES-128の解読には天文学的な計算資源が必要となるためだ。