Intel次世代フラッグシップCPU「Core Ultra 9 285K」のベンチマーク結果がリークされたようだ。Arrow Lake世代のこの新CPUは、現行モデルを上回る性能を示し、最近ネガティブな話題ばかり続くIntelにとって少し希望が持てる話題を提供してくれるかもしれない。
AMDの最新Ryzen 9 9950Xを上回る性能を示す
Core Ultra 9 285Kは、IntelのArrow Lake-S Desktop CPUシリーズの頂点に立つモデルとなる見込みだ。この新型プロセッサは8つのPコア(Lion Cove)と16つのEコア(Skymont)を組み合わせた、合計24コア24スレッドの構成を採用している。ベースクロックは3.7 GHz、ブーストクロックは最大5.7 GHzに達し、36 MBのL3キャッシュを搭載。TDPは125W(PL1)に設定されている。
Geekbench 6でのベンチマーク結果によると、Core Ultra 9 285Kのスコアは、シングルコアテストで3450ポイント、マルチコアテストでは23024ポイントを記録した。これは現行のIntel Core i9-14900KSやAMD Ryzen 9 9950Xを上回る性能であり、特にマルチコア性能での優位性が顕著だ。具体的には、シングルコア性能でCore i9-14900KSを8%、Ryzen 9 9950Xを4%上回り、マルチコア性能ではそれぞれ5.1%、14%も上回っていることになる。
注目すべきは、Core Ultra 9 285KがCore i9-14900KSに対してクロック周波数が500MHz低いにもかかわらず、より高い性能を発揮している点だ。これは、Arrow Lake世代でのIPC(Instructions Per Clock)の大幅な向上を示している。特に、直接の前身であるCore i9-14900Kと比較すると、シングルコアで11.7%、マルチコアで10.2%の性能向上が見られる。
消費電力の面でも大きな改善が期待されている。現行のCore i9-14900KSが最大300Wを超える電力を消費するのに対し、Core Ultra 9 285Kは約100W少ない電力消費になると言われている。これは、Arrow Lake世代のアーキテクチャが電力効率の面でも大きく進化していることを示している。
そして、これらのベンチマーク結果は開発段階のプロセッサによるものであり、最終製品ではさらなる性能向上が期待できる。テストに使用されたプラットフォームは、ASUS ROG STRIX Z890-A Gaming WIFIマザーボードと64 GBのDDR5-6400メモリという構成だった。この構成は、新しいLGA 1851ソケットを採用した次世代マザーボードの一例であり、8000 MT/s以上の高速メモリにも対応可能だ。より高速なメモリキットを使用すれば、さらなる性能向上が見込まれる。
Intel Core Ultra 9 285Kは、Core Ultra 7 265KおよびCore Ultra 5 245Kと共に、10月10日に発表される予定だ。これらのCPUは、新しいLion Cove PコアとSkymont Eコアアーキテクチャを採用し、さらにAlchemist Xe-LPG iGPUを搭載している。この新世代のCPUは、性能と電力効率の両面で大きな進化を遂げそうだ。
業界では、Intel Core Ultra 9 285Kの登場により、高性能デスクトップCPU市場での競争が一層激化すると予想されている。AMDのRyzen 9000シリーズとの性能比較や、実際の製品版での性能、そして価格設定などが、今後の焦点となるだろう。また、Intelが特別版のKSモデルをこのシリーズでも展開するかどうかも、注目すべき点の一つだ。
Sources
- Geekbench Browser:
- via Benchleaks
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