Intelの次世代フラッグシップCPU、Core Ultra 9 285Kが正式発表前にベンチマークテストで驚異的な性能を示している。PassMark社が公表した最新のベンチマーク結果によると、この未発表のプロセッサはシングルスレッド性能で現行最高峰のCore i9-14900Kを大きく上回り、新たな記録を樹立した。
Arrow Lake世代が示す圧倒的なシングルコア性能
PassMarkのデータベースに登場したIntel Core Ultra 9 285Kは、シングルスレッドテストで5268ポイントを記録。これは現行の最速チップであるCore i9-14900KSを8.2%、標準のCore i9-14900Kを11%上回る驚異的な結果だ。注目すべきは、285KがClockwise Turbo Boost最大周波数5.7 GHzで、6.2 GHzまで到達する14900KSよりも低いクロック周波数でこの性能を達成している点である。
この結果は、IntelのArrow Lake世代がもたらす革新的なアーキテクチャの性能向上を如実に示している。Lion Coveを採用したPコアと、SkymontアーキテクチャベースのEコアの組み合わせが、クロック周波数を抑えながらも高い性能を実現していると考えられる。
しかし、マルチスレッド性能に関しては異なる様相を呈している。Core Ultra 9 285Kは46,872ポイントを記録したが、これはCore i9-14900Kの60,305ポイントや、AMD Ryzen 9 9950Xの66,702ポイントと比較すると大きく見劣りする。この差は、285Kがハイパースレッディングをサポートしていないことが主な要因と推測される。24コア/24スレッド構成の285Kに対し、競合製品は32スレッドを持つため、マルチタスク処理での優位性を保っている。
Core Ultra 9 285Kの詳細スペックと市場への影響
Intel Core Ultra 9 285Kは、Arrow LakeベースのCore Ultra 200シリーズの最上位モデルとして位置づけられている。主な仕様は以下の通りだ:
- コア構成:8 Pコア(Lion Cove) + 16 Eコア (Skymont)
- スレッド数:24
- キャッシュ:L3 36MB + L2 40MB(合計76MB)
- 基本クロック:P-core 3.7 GHz / E-core 3.2 GHz
- 最大ブーストクロック:P-core 5.7 GHz / E-core 4.6 GHz
- TDP:PL1 125W / MTP 250W
これらの仕様からも、Intelがシングルスレッド性能と電力効率の最適化に注力していることが伺える。特に、大容量のキャッシュメモリとPコア/Eコアの効果的な組み合わせが、低いクロック周波数でも高いシングルスレッド性能を実現する鍵となっている。
市場への影響としては、Intel Core Ultra 9 285Kの登場により、デスクトップCPU市場の競争が一層激化することが予想される。特に、シングルスレッド性能を重視するゲーミングやクリエイティブワークステーション市場において、Intelの優位性が強化されることになるだろう。
一方で、マルチスレッド性能では依然としてAMDのRyzen 9シリーズが優位に立っており、ヘビーマルチタスクユーザーやプロフェッショナル向け市場では競争が続くと見られる。
Intel Core Ultra 9 285Kの正式発表は来週に予定されており、小売発売は10月24日頃と噂されている。正式な性能データや価格情報が公開されれば、市場動向がより明確になるだろう。
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