Intelの第13世代及び第14世代Coreプロセッサのクラッシュする不具合に関する調査は続けられているが、根本的な原因は未だ不明な中、Intelはその不安定性の一因となっている可能性のあるeTVB(Enhanced Thermal Velocity Boost)に関するバグを修正するパッチを2024年7月19日までにBIOSアップデートの一部として展開する予定を明らかにした。ただし、同社によればこのバグは根本的な原因ではないという。
7月19日までにeTVBのバグを修正するBIOSアップデートを配布予定
少し前、Igor’s LabはIntelから入手した内部文書として、eTVB(Enhanced Thermal Velocity Boost)機能はマイクロコード内のアルゴリズムにバグがあり、それが第13世代及び14世代Coreプロセッサの不安定性の原因であると報告していたが、その後Intelはこれを否定する声明を発表し、それは確かに一因ではあるが、根本的な原因ではないとしていた。
Intelによると、eTVBマイクロコードはIntelの第13世代及び第14世代CoreデスクトッププロセッサUの動作条件に影響を与える可能性があり、これにはKS、KF、KシリーズSKUが含まれるという。
Intelは今回の声明の中で、eTVBバグを解決するための新しいパッチを開発し、2024年7月19日までにBIOSアップデートを展開するために、マザーボード・メーカーなどのOEM/ODMパートナーと協力していることを報告している。
ちなみに、一部のマザーボードメーカーは既に上記の修正パッチが当てられたBIOSアップデートを公開しているため、対象ユーザーはアップデートするのが良いだろう。
- MPG Z790 CARBON WIFI – 7D89v1C3
- MPG Z790 CARBON WIFI II – 7D89vA43
- MPG Z790 CARBON MAX WIFI – 7D89vA43
- MPG Z790 CARBON MAX WIFI II – 7D89vA43
- Z790MPOWER – 7E01vP33
新しいBIOSアップデートにはB0671/125マイクロコードが含まれており、これはマイクロコードアップデート0x125修正バージョンで、関連するアルゴリズムのバグが修正されている。
今のところ、問題の第13世代及び第14世代Coreデスクトッププロセッサの安定性を向上させるために提供できるのは、新しくアナウンスのあった「Intel Default Settings」を適用することのようだ。これは、チップの電力制限を引き下げることで不安定な挙動を押さえ込むことに繋がるが、プロセッサの性能が低下してしまうことは否めない。Intelは、自社のチップを競合他社より良く見せるために、過剰な電力制限に頼りすぎていたが、その優位性は今や失われ、新たなIntel Default Settingでは、ゲームで-10%、マルチスレッドワークロードで最大-20%も性能を低下させる。
Intelの調査はまだ続いており、根本原因の特定には時間がかかりそうだ。
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