Intelの次世代ディスクリートGPU、コードネーム「Battlemage」は現在開発中であり、2024年の年末商戦期に登場すると言われているが、この新たな「Arc Xe2」シリーズの製造に、Intelは自社の製造プロセスではなく、TSMCの4nmプロセスを採用することが報じられた。
Battlemageの性能向上とTSMC 4nmプロセスの採用
Intelの次世代GPU「Battlemage」は、現行の「Alchemist」シリーズから大幅な性能向上を実現すると見られている。最も注目すべき点は、製造プロセスの進化だ。現行の6nmプロセスからTSMC 4nmプロセスへの移行により、トランジスタ密度、性能、電力効率が大幅に向上する。これにより、Alchemistシリーズと比較して最大50%の性能向上が期待されている。
アーキテクチャ面でも多くの改善が行われる。次世代メモリサブシステムと圧縮技術の導入、レイトレーシング性能の向上、マイクロアーキテクチャの改善などが予定されている。さらに、機械学習ベースの新しいレンダリング技術や最新のDeepLink機能も実装される見込みだ。これらの改善により、Battlemageはパフォーマンスやエンスージアスト向けゲーミング市場を強力にターゲットすることができる。
TSMCの4nmプロセス(N4)は、5nmプロセス(N5)と比較して11%の性能向上を実現するとされている。この進化により、BattlemageはAMDのRDNA 3やNVIDIAのAda Lovelaceアーキテクチャを採用した現行のGPUと競争力を持つことが期待されている。
Intelは最大のBattlemageバリアントでXeコアの数をほぼ倍増させる計画であり、IPCの向上や高クロック化と合わせて、大幅な性能向上を実現する見込みだ。興味深いのは、IntelがBattlemageよりもさらに先進的なTSMC 3nmプロセスを「Lunar Lake」プロセッサのコンピュート・タイルに採用する計画があることだ。これは、IntelがGPU技術の最前線に立つ決意を示すものと言える。
Battlemageシリーズには少なくともBMG-21とBMG-31の2モデルが存在すると報じられており、2024年の年末商戦期にデビューする可能性がある。Intelが適切なソフトウェアサポートと競争力のある価格設定を実現できれば、消費者の注目を集めることも出来るかも知れない。既にIntelはこのArc GPUをゲームだけではなくAI用途でも利用することを意図しており、導入用のアプリケーションもリリースしている。
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