Facebook親会社のMetaが、米国内のデータセンター開発資金として約350億ドルの資金調達パッケージを検討している。Apollo Global Managementが主導し、KKR & Co.も参加する見込みだ。
大規模資金調達の詳細
Bloombergの報道によると、Metaはアメリカ国内のデータセンター開発のために、Apollo Global Management主導の約350億ドル(約5兆3,000億円)規模の資金調達パッケージについて交渉を進めている。この資金調達交渉にはKKR & Co.も投資家グループの一員として参加しているとされる。
ただし、これらの交渉は初期段階であり、取引完了の保証はない。各社の関係者はコメントを控えている。
注目すべきは、Metaが2024年12月時点で約778億ドル(約11兆7,000億円)の現金を保有しているにもかかわらず、この資金調達を検討していることだ。この戦略は、AIインフラ構築の巨額コストをどう賄うかという課題への対応を示している。
Metaの壮大なAIインフラ投資計画
Meta CEOのMark Zuckerberg氏は今年1月、同社が2025年にAI関連プロジェクトに最大650億ドル(約9兆8,000億円)を投資する計画を発表した。この計画には巨大な新データセンターの建設とAIチーム増強が含まれる。
具体的な動きとしては、ルイジアナ州に100億ドル(約1兆5,000億円)のデータセンターを発表済みであり、2025年には1ギガワットの計算能力をオンラインにする計画だ。このルイジアナのデータセンターは最終的に2ギガワットまで拡大する可能性があるという。また、Reutersによれば、このデータセンターで使用される電力は電力会社Entergyと協力し、再生可能エネルギーで対応される見込みだ。
さらに注目すべきは、先日、Metaが2000億ドル(約30兆円)規模のAIデータセンターキャンパスの候補地を訪問したというニュースだ。これが実現すれば、複数年にわたる巨大プロジェクトとなる。
テック業界で加速するAIインフラ競争
AI技術の発展に伴い、計算要件は飛躍的に増加し、データセンターへの需要も急増している。この環境下、大手テック企業は競うようにAIインフラへの投資を加速させている。
既にMicrosoftは今年AIデータセンターに800億ドル(約12兆円)、Stargateは1000億ドル(約15兆円)、Googleは750億ドル(約11兆3,000億円)を投じる計画を発表している。Amazonの幅広い設備投資も1000億ドルに達する見込みとされる。
一方で、中国のスタートアップDeepSeekが西側企業よりもはるかに低コストでAI技術を披露したことで、巨額投資への懐疑的な見方も出ていることもまた事実だ。
Metaはこうした競争環境の中、AI製品開発に注力している。Zuckerbergは今年末までにチャットボット「Meta AI」を世界で最も広く使用されるAIにしたいと述べており、AI搭載スマートグラスの開発やオープンソースの大規模言語モデル「Llama」の提供も進めている。
Zuckerberg氏は投資家に対し、Metaのこうしたインフラ投資は最終的に数千億ドル規模に達すると説明している。
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