Micronは、次世代GDDR7メモリのサンプル出荷を開始した事を発表した。メモリ転送速度は実に32Gb/sとなり、帯域幅は1.5TB/sを実現するこのGDDR7は、GDDR6から最大60%の帯域幅向上を実現しており、NVIDIAの次世代RTX 5000グラフィックボードに搭載されると見られている。
ゲーム、生成AI用途で大幅な性能向上を実現
Micronによれば、同社のGDDR7メモリは、Micronの1β(1ベータ)DRAM技術と革新的なアーキテクチャを活用しており、パフォーマンス向上、高い消費電力効率等、多くのメリットを提供するという。Micronの1βプロセスは、10nm台のDRAMプロセスで、第5世代(1X、1Y、1Z、1α、1β)に位置づけられるものだ。EUVリソグラフィ装置は用いられずに製造されており、Micronは次世代の1γ(ガンマ)プロセスにおいて、日本のファブでもEUVリソグラフィ装置を用いたDRAMの製造を開始すると発表している。
Micron GDDR7メモリは、応答時間の短縮、ゲームプレイの滑らかさ向上、処理時間の短縮を実現する。GDDR7は、GDDR6と比較して50%以上の電力効率向上を提供し、熱管理の改善や、新しいスリープモードにより待機電力を最大70%削減し、バッテリー持続時間の改善に貢献する。高度な信頼性、可用性、サービス性(RAS)機能が、性能を損なうことなくデバイスの信頼性とデータの整合性を向上させ、AI、ゲーム、ハイパフォーマンスコンピューティングワークロードなど、適用範囲は広い。
Micronは、GDDR7メモリが、生成AIワークロード(例えばテキストから画像の生成)において、スループットを最大33%向上させ、応答時間を最大20%短縮する高性能を提供すると主張している。
また、GDDR7を搭載したグラフィックボードは、現在のGDDR6およびGDDR6Xと比較して、1080p、1440p、4K解像度でフレームレート(FPS)を30%以上向上させるとMicronは予測している。
GDDR7の追加により、MicronのエッジAI推論アプリケーション向けの業界をリードする製品ポートフォリオが完成し、CPU、NPU、GPUコンポーネント向けにDDR、LPDDR、GDDRメモリオプションを提供する。ゲームアプリケーションにおいて、Micron GDDR7メモリは、AIによって強化されたゲームプレイを可能にし、パフォーマンスとフレームバッファのスケーリングを通じて、適応型の風景、プレイヤー、ストーリーラインを実現する。
「Micronは再びメモリ革新の最前線に立ち、グラフィックス性能のリーダーシップを維持するために、最先端のプロセスとインターフェース技術を用いて最高帯域幅のソリューションを開発しています。Micron GDDR7メモリの最高の機能は、最も要求の厳しいアプリケーションに新しいレベルのリアリズムとパフォーマンスをもたらすことです」と、MicronのCompute Products Groupの副社長兼ゼネラルマネージャーであるPraveen Vaidyanathanは述べている。
Micron GDDR7メモリは、2024年後半に搭載製品が入手可能になる予定とのことだ。
Source
コメント