Microsoftの共同創業者であり、長期にわたりCEOを務めてきたBill Gates氏は2008年に同社の日常の業務を離れた後も2020年8月まで取締役会のメンバーの1人として、同社の経営に携わっていた。だが、その日を境に正式に同社を去った形となっているが、Gates氏はその後もMicrosoftの経営に裏方として関わり続け、特に現CEOのSatya Nadella氏によるGates氏への強い依存が現在も続いていると、Buisiness Insiderは内部情報筋の話として報じている。
「あなたが読んでいることは、現実に起こっていることではない。Satyaとシニア・リーダーシップ・チーム全体がGatesに非常に大きく依存している。大きな変化を起こすたびに彼の意見が求められる」と、匿名を条件にMicrosoftの最高幹部の1人はこう語っている。
Gates氏がOpenAIとの提携に深く関与
Gates氏の取締役会退任について、2021年にWall Street Journal紙は、Gates氏が2000年にMicrosoftの従業員と個人的に不適切な関係を持ったとされる疑惑に関する調査が原因だと報じた。Gates氏の広報担当者は当時、これについて否定しているが、その後のGates氏の離婚について振り返ってみれば、可能性は否定できないだろう。
この一連の騒動によって、Nadella氏とMicrosoftはGates氏と距離を置いたように見えたが、そうではなかったようだ。その後もNadella氏はGates氏の技術的なアドバイスや知識を頼りにし続け、それが会社の方向性やAIの進歩に大きな影響を与えてきたと報じられている。
Buisiness Insiderは、MicrosoftとOpenAIの現在の提携の主要な立役者の一人がGates氏だったとも報じている。実際、Gates氏は2016年からOpenAIとミーティングを行っていたと伝えられており、2022年、Gates氏はOpenAIのCEOであるSam Altman氏に、APプログラムの生物学の試験に合格する大規模言語モデル(LLM)の作成に挑戦するよう促したと言われている。
当時、Gate氏はそれが可能だとは思っていなかったが、それは実現した。2022年8月、Altman氏はGates氏とNadella氏に、Gates氏の自宅でGPT-4が実際に生物学の試験に合格したデモを見せたという。Gates氏は、それが “私の人生で見た中で最も見事なデモだった “と指摘した。
MicrosoftとOpenAIが技術提携を結ぶ前、Gates氏の中には漠然とはしているが、人々の欲求やニーズを満たすために設計された、基本的な音声アシスタントよりも強力な “AIエージェント”の構想があったようだ。
エージェントは、すべての人のコンピューターとの関わり方を変えるだけではない。エージェントはソフトウェア業界を根底から覆し、私たちがコマンドをタイプすることからアイコンをタップすることに変わって以来、コンピューティングに最大の革命をもたらすだろう。
Bill Gates
Gates氏の中で、GPT-4のデモをきっかけに、パーソナルAIエージェントの未来がより現実的になったようだ。Gates氏は、電子メールの読み上げや要約など、MicrosoftがGPT-4をどのように使うべきかを綴ったメモをNadella氏に渡し、Nadella氏はこのメモを元に、社内会議を開き、多くのソフトウェア製品とサービスにAIを組み込むようチームに求めたという。
Gates氏は現在も、Microsoftの多くのトップ幹部とミーティングを開き、同社のプロジェクト開発を検討している。Gates氏はまた、新しい幹部の採用にも、現在のMicrosoftチームのメンバーの維持にも協力しているはずだ。Gates氏は正式な従業員ではないが、Microsoftで依然として大きな権力を握っていると言う事になりそうだ。
Sources
- Bisiness Insider Africa: Exclusive: Bill Gates, ousted for misconduct, is still pulling the strings at Microsoft
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