NVIDIA GeForce RTX 50シリーズの拡大が続いている。既に発表されたRTX 5090から5070までの上位モデルに続き、3月末から5月にかけて、価格帯7万円以下をターゲットとする新たな3モデル「RTX 5060 Ti」「RTX 5060」「RTX 5050」の詳細スペックがリークされた。特にRTX 5050はRTX 40シリーズには存在しなかった完全新規のモデルとなる。
新モデルのスペック詳細
リーカーのkopite7kimi氏によって、以下のモデルのスペックがリークされた。同氏はGPU関連の極めて信頼性の高い情報をもたらすことで知られており、今回の情報も信憑性が高そうだ。
RTX 5060 Ti:ミドルレンジの中核モデル
- GPU:GB206-300-A1(Blackwell)
- CUDAコア:4,608基
- RTコア:36基
- Tensorコア:144基
- メモリ:8GB/16GB GDDR7(128ビット)
- TGP:180W
- 推定価格:399〜449ドル
- 特徴:8GBと16GBの2つのバージョンが用意される予定
RTX 5060:コストパフォーマンス重視モデル
- GPU:GB206-250-A1(Blackwell)
- CUDAコア:3,840基
- RTコア:30基
- Tensorコア:120基
- メモリ:8GB GDDR7(128ビット)
- TGP:150W
- 推定価格:299ドル前後
RTX 5050:エントリーレベルモデル
- GPU:GB207-300-A1(Blackwell)
- CUDAコア:2,560基
- RTコア:20基
- Tensorコア:80基
- メモリ:8GB GDDR6(128ビット)
- TGP:130W
- 推定価格:199〜249ドル
- 特徴:RTX 50シリーズで唯一GDDR6メモリを採用
注目すべきは、すべてのモデルが128ビットのメモリインターフェースを採用している点である。上位モデルと比較すると狭いメモリバス幅だが、RTX 5060およびRTX 5060 TiではGDDR7メモリの高速性を活かし、メモリ圧縮技術との組み合わせでパフォーマンスを確保する設計となっている。
メモリ構成と市場ポジショニング
RTX 5060 TiとRTX 5060は最新のGDDR7メモリを採用し、RTX 5050のみGDDR6メモリを搭載する。これはコスト削減が目的と見られており、5万円以下のエントリー価格帯に収めるための選択と考えられる。
メモリバンド幅については、RTX 5060 TiとRTX 5060が448 GB/sと予想されており、これはRTX 4060 Tiと比較して約55%高い数値となる。一方、GDDR6を採用するRTX 5050は300 GB/s以上のメモリバンド幅が期待されている。
NVIDIAは各モデルのターゲット解像度として以下を想定していると見られる:
- RTX 5050:1080pゲーミング
- RTX 5060:高リフレッシュレート1080pおよびエントリーレベル1440p
- RTX 5060 Ti:安定した1440pパフォーマンス
発売時期と競合状況
発売時期については、RTX 5060 Tiの16GBモデルが3月末、8GBモデルとRTX 5060が4月、RTX 5050が4月から5月にかけての発売が予想されている。
競合関係では、RTX 5080以上のハイエンドモデルに対してはAMDからの直接的な競合はないが、RTX 5070以下のミッドレンジ〜エントリーレベルではRadeon RX 9070シリーズおよびRX 9060シリーズとの競争が予想される。特にRTX 5050はIntel Arc B580やAMD RX 9050シリーズと市場を争うことになりそうだ。
RTX 5050については、RTX 40シリーズでは存在しなかったデスクトップ向けエントリーモデルであり、5万円以下の市場での選択肢として注目される。モバイル版RTX 4050と同じCUDAコア数(2,560基)ながら、より広いメモリバス(128ビット vs 96ビット)と高いTDP(130W)により、クロックの引き上げが可能となり、性能向上が期待される。
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