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Phisonの新型SSDコントローラー「PS5031-E31T」はヒートシンクレスで低価格なPCIe 5.0 SSDを実現する

Y Kobayashi

2024年6月20日

コンシューマ向けPCIe 5.0 SSDが登場し始めてから1年が経つが、まだまだ高価な部類に入り、これが普及の妨げになっている。だが、Phisonが今後リリースを予定している「PS5031-E31T」SSDコントローラーの登場はこの状況を変える起爆剤になるかも知れない。

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PhisonのE31Tは世界初の「DRAMレス」PCIe 5.0 SSDコントローラー

Phisonの「PS5031-E31T」SSDコントローラーは、既にPhisonが販売しているハイエンドSSD向けコントローラー「PS5026-E26」と同様、2つのArm Cortex-R5コアを使用している。E26はTSMCの12nm製造ノードで製造された8チャンネルコントローラーであるが、新しいE31Tコントローラーは、新たにTSMCの7nmプロセスで製造された4つのNANDチャンネル(16のCEターゲット)を持つ、世界初となるDRAMキャッシュレスコントローラーとなる。

E31TE27TE21TE26E18
セグメントメインストリームハイエンド
製造プロセス7nm12nm12nm12nm12nm
CPUコアCortex R5 x2Cortex R5 x1Cortex R5 x1Cortex R5 x2Cortex R5 x3
エラー訂正7世代 LDPC5世代 LDPC4世代 LDPC5世代 LDPC4世代 LDPC
DRAM無し無し無しDDR4, LPDDR4DDR4
ホストインターフェースPCIe 5.0 x4PCIe 4.0 x4PCIe 4.0 x4PCIe 5.0 x4PCIe 4.0 x4
NVMeバージョンNVMe 2.0NVMe 2.0NVMe 1.4NVMe 2.0NVMe 1.4
NANDチャネル、インターフェース速度4 ch, 3600 MT/s4 ch, 3600 MT/s4 ch, 1600 MT/s8 ch, 2400 MT/s8 ch, 1600 MT/s
最大容量8 TB8 TB4 TB8 TB8 TB
シーケンシャルリード10.8 GB/s7.4 GB/s5.0 GB/s14 GB/s7.4 GB/s
シーケンシャルライト10.8 GB/s6.7 GB/s4.5 GB/s11.8 GB/s7.0 GB/s
4KBランダムリード IOPS1500k1200k780k1500k1000k
4KBランダムライト IOPS1500k1200k800k2000k1000k

製造プロセスの微細化は、消費電力の大幅な削減、そして発熱の低減にも繋がるだろう。そのため、これまでのような巨大なヒートシンクを備える必要も無くなるようだ。加えて、DRAMキャッシュレスと言う事、NANDチャネルが最大4チャネルという点も消費電力の削減、そして大きなコスト削減にも寄与すると見られる。

E31Tはまた、最大3,600MT/秒のNAND(TLCまたはQLC)をサポートする。これにより、最大読取り/書込み速度は10,800 MB/秒、4Kランダム読取り/書込みIOPSは最大1,500Kとなる。これをもって、PhisonはE31Tプラットフォームを「初のメインストリーム10GB/秒プラットフォーム」と呼んでいる。

加えて、性能を高めるため、E31TコントローラーはLPDC符号化方式に基づく独自の第7世代ECCエンジンを採用し、性能とデータの信頼性を高めている。これらの機能をすべて搭載しているため、Gen5 SSDセグメントは比較的価格の安い製品の流入が増加すると予想され、競合他社が同様の製品を出していないことから、そのほとんどがE31Tコントローラーを利用することになると思われる。

PS5031-E31Tコントローラーは2024年第4四半期までに出荷される予定のようだ。年末商戦ではこれまで以上に手に入りやすいPCIe 5.0対応SSDが登場するかも知れない。


Sources

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