Samsungは、AI技術の高まりにより、高性能・大容量ストレージの需要が高まる中、競合他社に先んじて今月中に、290層の第9世代V-NAND(V9)チップの量産を開始する可能性があり、2025年には最大430層となる第10世代V-NAND(V10)チップの量産も計画しているとのことだ。
第9世代V-NANDは、現在主力の236層となる第8世代V-NANDの後継となる最先端製品となる。ターゲットは上記の通り、大規模なエンタープライズ・サーバーやAI・クラウド機器と言った用途だ。
100層を超えるとNANDフラッシュの製造には技術的な制約も多く、層数の少ないメモリセルスタックを重ねて、手っ取り早く層数を稼ぐ方法がとられることも多い。一般的に、300層程度のチップを製造するためにはトリプルスタックが用いられることが多いが、業界関係者によれば、第9世代V-NANDにおいてもSamsungは「ダブルスタック」技術を採用しているとのことだ。これは、歩留まりの高まりとコスト削減を実現する事にも繋がる。
ライバルのSK hynixやKioxiaなどもこの「層数」を稼ぎ、更なる大容量ストレージの実現に向けて動いているが、Samsungは一歩先を行っているようだ。来年には430層積層の第10世代V-NANDも発表している。
NAND製品の利用はここ数カ月で急激に増加しているが、その主な理由は、大量の高速ストレージを必要とするため、AI推論に関わる製品の利用によるものである。結局のところ、これは将来に向けて大きな需要を促しており、SamsungのようなNANDフラッシュ・メーカーにとって、このセグメントの発展の起爆剤となるだろう。
Source
- Korean Economic Daily: Samsung to produce 290-layer V9 NAND to win chip stacking war
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