日本のSoftBankが、英国のAIチップメーカー「Graphcore」の買収交渉に入っている事がBloombergによって報じられている。同紙によれば、両社は数ヶ月前から話し合いを続けてきており、最近になって交渉が進んだようだが、最終的な契約にはすぐには至らない見込みだ。
SoftBankと言えば、同じ英国のチップ設計企業Armの株式の過半数を保有していることでも知られている。Armは昨年上場し、今年初めにAIアプリケーションのさらなる支援を検討すると発表して以来、50%近く上昇している。
SoftBankによるGraphcoreの買収可能性については2024年2月のことだった。同じ頃、SoftBankの創業者である孫正義氏が、NVIDIAに対抗するため、イザナギと呼ばれるAIチップのベンチャー企業を設立するために1000億ドルの資金調達を検討していることも報じられている。
2016年に設立された英国ブリストルに本拠を置くGraphcoreは、インテリジェント・プロセッシング・ユニット(IPU)と呼ばれるAIアクセラレーターを製造しており、NVIDIAが製造するGPUの代替品として販売されてきた。
しかし、AI処理能力への需要が高まっているにもかかわらず、Graphcoreが深刻な財務的苦境に直面していることが今年初めに報じられた。同社の発表した決算によると、2022年の税引前損失は前年比11%増の1億6,100万ポンド(約314億円)に拡大した。
さらに、2023年には、米国の輸出規制により、以前から同社の主要成長分野として狙っていた中国市場からの撤退を余儀なくされたことも、同社の状況を難しい物にしている。
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