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台湾の大地震が世界の半導体産業に大きな影響を与える

Y Kobayashi

2024年4月3日

4月3日8時58分頃(日本時間)、台湾東部の花蓮県沖およそ25キロを震源とするマグニチュード7.4の地震が発生した。台湾に加え、同じ海に接する日本とフィリピンでは津波警報が発令された。台湾の消防当局は午後3時までに4人が死亡し、711人がけがをしたと発表している。

当局の発表によれば、これは1999年に発生したマグニチュード7.7の地震以来で最大の地震である。台湾東部の花蓮県で震度6強の揺れを観測したほか、北東部の宜蘭県などで震度5強、北部の台北市や新北市、中部の台中市など広い範囲で震度5弱の揺れを観測しているという。

台湾メディアによると、午後3時までに少なくとも26棟の建物が倒壊しているという。建物の中に閉じ込められている人も数多くおり、9万1000世帯以上が停電している。台北での大きな揺れにより、世界有数の高層ビルである台北101が揺れている動画もSNSでは共有されている。

7.4 magnitude earthquake hits Taiwan
byu/knowitokay inWTF

人的被害に加え、台湾という地で起きたこの地震は、世界の半導体製造業に大きな影響を与える可能性があり、主要部品の不足や価格上昇を引き起こす可能性がある。これらはひいては、ノートパソコンからテレビに至るまで、あらゆるもののコスト上昇につながるかもしれない。

Bloombergによれば、世界最大のチップメーカーのひとつであるTSMCが、予防措置として一部の工場で避難を行った事を報じている。広報担当によると、スタッフは全員無事という。現在同社は地震の影響評価を行っているようだ。Asia Tech Wireによると、TSMCは、生産に6時間の中断が予想されると述べている。

今回の地震は東部で起きたが、TSMCなどの半導体工場は西側に位置していたことから被害は東側よりは軽微だった可能性が示唆されている。

台湾の地震は、過去にもグローバルなエレクトロニクスのサプライチェーンを混乱させた歴史がある。過去には、1999年に起きたマグニチュード7.7の地震によって、DRAMモジュールの価格は25%以上跳ね上がり、品不足が数ヶ月続いた事もあった。


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