中国テクノロジー大手のTencentとIntelが共同で、裸眼3D技術と最新のIntel Lunar Lake プロセッサを搭載した画期的なゲーミングハンドヘルド「3D One」の開発を進めていることが明らかになった。11インチの大型ディスプレイと着脱式コントローラーを特徴とする本機は、既存のPC向けゲーミングハンドヘルド市場に新たな革新をもたらす可能性を秘めている。
革新的な裸眼3D技術と高性能ハードウェア
3D Oneの最大の特徴は、アイトラッキングシステムを活用した裸眼3D表示機能だろう。追加のアクセサリーなしで立体視を実現するこの技術は、かつてのNintendo 3DSを彷彿とさせる。ディスプレイ横の専用スイッチにより、2Dモードと3Dモードの切り替えが可能となっている。VideoCardzが公開した映像では、プレイヤーが画面から目を離しながらもゲームを楽しむ様子が描かれており、このアイトラッキング技術が従来にない没入感を提供する可能性を示唆している。
処理性能の面では、Intel最新のモバイルAPUとなるLunar Lakeシリーズから、Core Ultra 7 258V SCプロセッサを採用している。このプロセッサは8コア8スレッド構成のミドルレンジモデルとされ、Intel Arc 140Vグラフィックスとの組み合わせにより、高い描画性能を実現する。現行のAMD Z1 ExtremeプロセッサをベースとするROG AllyやLegion Goとの性能差は現時点で不明だが、次世代のZ2 Extremeとの競合が予想される。
システムメモリには32GBのLPDDR5xを搭載し、ストレージには最大1TBのSSDを採用することで、大容量のゲームタイトルにも対応可能な構成となっている。電源には100Wの大容量バッテリーを搭載しているが、具体的な駆動時間は明らかにされていない。11インチという大型の2.5Kディスプレイは、最大120Hzのリフレッシュレートに対応し、Steam Deckの7インチ、Legion Goの8.8インチを大きく上回るサイズとなっている。この大画面化により、より没入感のある3D表示が期待できる一方で、携帯性との両立が課題となる可能性がある。実際のレスポンスタイムなど、細かな表示性能については今後の情報公開を待つ必要がある。
3D Oneは着脱式コントローラーと本体底面に搭載されたキックスタンドにより、携帯モードとタブレットモードの切り替えが可能な2in1デザインを採用している点も面白い。接続端子としてUSB Type-C、USB-A、microSDカードリーダー、ヘッドフォンジャックを備え、ドリフトの心配がないホールセンサー式スティックを採用するなど、実用性も考慮された設計となっている。
Xenospectrum’s Take
TencentとIntelによる3D Oneの開発は、停滞気味だったゲーミングハンドヘルド市場に新たな風を吹き込む可能性を秘めている。しかし、11インチという大型ディスプレイは携帯性との両立という点で課題を残すだろう。また、裸眼3D技術の実用性や目への負担など、製品化に向けては様々な検証が必要となる。現時点で価格や発売時期は未定だが、高性能な構成から考えても、決して安価な製品とはならないだろう。Steam Deck、ROG Ally、Legion Goなど、既存の競合製品との差別化がどこまで図れるか、今後の展開が注目される。
Sources
Meta Description
TencentとIntelが共同開発中の革新的ゲーミングハンドヘルド「3D One」。裸眼3D技術、11インチ大画面、Intel最新プロセッサーを搭載し、ゲーミングハンドヘルド市場に新たな可能性をもたらす。
コメント